INI最新シングルでは20万枚以上…「オリコンとビルボードのCD売上枚数の乖離」のナゼ
#K-POP #INI
昨年、サバイバル型オーディション番組『PRODUCE 101 JAPAN SEASON2』(GYAO!ほか)の上位11人によって結成されたボーイズグループ・INI(アイエヌアイ)の快進撃が続いている。
昨年11月3日にデビューシングル『A』を発表した彼らは、発売1週間でおよそ50.8万枚を売り上げ、オリコン週間シングルランキング初登場1位に。続けて、今年4月20日に発売した2ndシングル『I』は発売1週間のセールスがおよそ58.1万枚を記録。2作連続でシングル1位を獲得したが、デビューシングルから2作連続で初週売上50万枚を超えるというのは「オリコン史上初」ということで大きな話題を呼んだ。この発表にはSnow ManとSixTONESのファンを中心に疑問の声も上がったが、Snow ManとSixTONESの“デビューシングル”は、両者のデビュー曲をお互いに収録するという特殊な形態だったためにカウントされていないようだ。
ともあれ、INIがこの記録をさらに伸ばすか注目されていたが、3rdシングル『M』はオリコンの発表によると発売初日の売り上げはおよそ35.8万枚。2ndシングル『I』のおよそ46.5万枚はおろか、デビューシングル『A』のおよそ36.6万枚を下回る初日セールスだったことで、このままでは初週50万枚突破は厳しいのではないかとファンの間で動揺が走った。
オリコンとビルボードで20万枚以上の差が発生するワケ
しかし、ビルボードジャパンが25日に発表したCDシングル売上レポートでは、8月24日までの集計で『M』はおよそ63.4万枚を売り上げているとされている。オリコンでは、24日までの数字を足しても初動40万枚ほどと見られ、ビルボードジャパンとの数字の差は20万枚以上ある。とても誤差と言えるレベルの話ではない。
だが、実はこれは初めてのことではない。デビューシングル『A』の際はオリコンとあまり大差なかったのだが、2ndシングル『I』で異変が起こった。ビルボードジャパンでの初動がおよそ66.4万枚だったのに対し、オリコンでは初日から2日間の売り上げはおよそ51万枚と、15万枚近い差がついたのだ。週間セールスとなると、ビルボードジャパンはおよそ74.2万枚だったのに対し、オリコンはおよそ58.1万枚で、さらに差が開いている。
そして今回、その差は20万枚以上にまで広がっている。いったいなぜこんなことが起こるのか。
「ビルボードジャパンは複数枚購入による減算処理は行われないのに対し、オリコンはアーティスト参加型の販売施策イベントに関連した複数枚購入は一度に3枚までしかカウントしないというルールがあります。要は、ひとりの人が同一CDを10枚買おうが100枚買おうが、3枚とみなされるということです。INIは、CD1枚の予約につき、本人たちが登場する限定イベントに招待される抽選に応募できるエントリーコードが1件もらえるという販促を行っており、これが引っかかってオリコンでは減算処理が行われたのでしょう。実は、こうしたキャンペーンを行うことの多いK-POP系のアーティストでは、こうした数字の乖離は珍しくありません。ただ、大抵は差は多くても10万枚ほどで、20万枚以上も差があるのは異例。ビルボードジャパンの数字ではINI『M』の初動は前作『I』と3万枚しか違わないことを考えると、それだけ今回はイベントに応募するため複数枚購入した人が多く、減算処理がさらに働いたということでしょうか。熱烈なファンが増えたと捉えることもできますが……」(エンタメ誌記者)
一方で、近年はK-POP系アーティストを見習って複数種購入による特典商法にも積極的なジャニーズについては、オリコンとビルボードジャパンであまり差が見られない。
「一部ではそれを理由に、オリコンによる“ジャニーズびいき”があると批判する声も上がってます。ただ、ジャニーズの場合、そもそも特典で直接アーティストに会えるイベントへの招待が付く例が少ないんですよ。SixTONESとSnow Manの合同デビューシングルは、コロナ禍で流れたものの、当初はハイタッチ会への招待(抽選)が予定されていました。そのためか、週間セールスではオリコンがおよそ132.8万枚、ビルボードジャパンがおよそ152.9万枚(SixTONES vs Snow Man盤がおよそ77.6万枚、Snow Man vs SixTONES盤がおよそ75.2万枚)と、やはり20万枚ほどの差が出ています。一方、限定動画の視聴ができるシリアルナンバーを封入したSnow Man最新シングル『オレンジkiss』はオリコンで初週およそ83万枚、ビルボードジャパンで初週およそ85万枚と差はあまりありません。2万枚ほどのブレはおそらく、集計方法の違いによる差でしょうね」(同)
ただ、オリコンには減算処理について具体的な説明責任があるのでは、という指摘もある。
「ジャニーズを中心に、同一CDを複数枚購入する熱心なファンの間では、4枚以上を購入する場合は3枚ずつに分けて会計するといった“オリコンチャートハック”が指南されており、これが本当に有効かはともかくとして根付いています。それにみんな、どこまでが“アーティスト参加型の販売施策イベント”に該当するかわからないんですよ。
そもそも、“ジャニーズびいき”をしていると批判が起こること自体、オリコンによる説明が不足していると言えます。具体的な数字は明かせないにしても、セールス枚数の発表時に“販促キャンペーンがあったため一部を減算処理した”といった説明がひと言でもあれば、もっと納得感があるはず。特定の事務所に肩入れしておらず、フェアにやっているというなら堂々と発表できるはずですよね」(アイドル誌記者)
いずれにせよ、INIはオリコン発表のセールスだけでもここ最近のSixTONESらを上回る勢いを見せており、サブスクリプション型音楽配信サービスにも音源を解禁していることを考えると、目を見張る数字と言えるだろう。彼らは、「オリコン史上初」のデビューシングルから連続ハーフミリオンの記録をさらに伸ばすことができるだろうか。
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