ジャニーズと統一協会を結びつけた「点と線」…かつて囁かれたある疑惑とは?
#ジャニーズ事務所 #旧統一教会
安倍晋三元首相銃撃事件をきっかけに、政治家との関係が浮き彫りになった旧統一協会(現・世界平和統一家庭連合)。とりわけ自民党との深い関係が取り沙汰され、岸田文雄政権を揺るがす事態にまで発展しているが、25年前に『ジャニーズ帝国崩壊』(鹿砦社刊)を上梓した筆者からすれば、旧統一協会は、政界のみならず、芸能界にも侵食してきたのではないかという疑念がある。
というのも、2003年、“アイドル王国”ジャニーズ事務所と関連会社・取引先に国税の査察が入ったことがあるのだが、この関連会社3社に、旧統一協会と密接な関係があるのではないかという疑惑が浮上したのだ。
「当初、国税の目的はジャニー(喜多川)さんの個人所得に関する調査だったのですが、関連会社数社に合計約20億円の申告漏れが見つかり、査察に変わったんです。査察に入られた関連会社は『クンクン』『日本廣明社』『ジェイステーション』の3社。そのうち『クンクン』の業務内容は、ジャニーズ所属タレント掲載に関わる雑誌、カレンダー等の企画制作において各出版社との契約折衝代行、化粧品の販売でしたが、この会社の代表を務めていたのが、女優の月丘夢路さんだったのです」(宗教ジャーナリスト)
月丘さんといえば、戦前、宝塚歌劇団で活躍した元娘役スターで、戦後は数々の映画やドラマに出演して一世を風靡した大女優。私生活では、映画監督の井上梅次さんと結婚し、夫婦揃って、ジャニーズ事務所創業者のジャニー喜多川さん、その姉のメリー喜多川さんと親しいことでも知られていた。
「月丘さんは特にメリーさんと親しかったことから、ジャニタレとよくドラマで共演していました。近藤真彦の記念公演にゲスト出演したこともあります」(芸能プロモーター)
だが、月丘さんは、統一協会との関係が取り沙汰されていた。
「統一協会系の商品である『一和高麗人参茶』のテレビCMに、月丘さんが出演していたのです」(宗教ジャーナリスト)
その頃、すでに世の中は、旧統一協会による霊感商法はじめ、桜田淳子ら有名人が参加した合同結婚式が社会問題となっていた。
「月丘さんが、旧統一協会の創始者である文鮮明に寵愛されていたのは信者の間では有名な話でした。夫の井上監督も、旧統一協会系の政治団体『国際勝共連合』の後押しで制作された映画『暗号名 黒猫を追え!』の監督・脚本を担当しています。夫婦揃って、旧統一協会とは密接な関係だったんです」(前出の宗教ジャーリスト)
もっとも、疑惑に対し、月丘さん自身は「自分はローマ・カトリック信者だ」として旧統一協会との関係を否定。ジャニーズ事務所も、査察後、関係会社の1社である「ジェイステーション」と、その社長が法人税法違反で起訴されたが、「事務所本体とは無関係」と逃げ切った。
だが、「月丘さんだけでなく、ジャニーズ事務所のジャニー、メリー弟姉も、統一協会を生んだ韓国とは浅からぬ関係があったんです」と語るのはマスコミ関係者だ。
「アメリカ生まれのジャニーさんは、朝鮮戦争に少年兵として派遣されています。メリーさんの夫で作家の藤島泰輔さんは、“韓国ロビイスト”と呼ばれ、『国際勝共連合』に近いと言われていた人物です」(前同)
実際、藤島氏は、韓国の詩人で民主化運動の象徴でもあった金芝河に対する朴正煕政権下での死刑判決を、「文学活動ではなく、政治活動によるもの」と擁護し、批判を浴びたことがあるが、当時のジャニーズ事務所を知る芸能関係者は、「ジャニーさんは、SMAPの草なぎ剛にハングル語を覚えさせたり、稲垣吾郎には日韓合作ドラマに出演させたり、韓国芸能界との繋がりを積極的に持というとしていました。あまりに熱心なので、違和感を感じるほどでした」と振り返る。
筆者としては、国税の査察により、旧統一協会への資金の流れが解明されることを期待したが、結局、真相は不明のまま。当時を知る月丘さんは5年前に肺炎のため、94歳で亡くなり、ジャニーさんもその2年後に、メリーさんは昨年8月に他界している。
今回、銃撃事件により、政界への侵食が再び注目されている旧統一協会だが、今後、芸能界との関係も取り沙汰されるようになるのか、注目したい。
(文=本多 圭)
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