鬼越トマホーク、120分間の喜怒哀楽 ラジオで結婚報告した坂井の「不幸の上に成り立つハッピー」
#ラジオ #オールナイトニッポン #鬼越トマホーク #ANN
「台本を取っ払ってやってきたのが鬼越トマホークなんだから」
正直、リスナーは……少なくとも、筆者は半信半疑だった。坂井が真面目に人生を語り、そして鬱モードに入り、番組の空気を悪くする、というネタだと途中まで疑っていたのだ。しかし、次第に「あれ、これってマジか?」と気付いていった。だから、余計にリアルだったのだ。
金ちゃん 「良ちゃん、頼むよ! 今日はハッピーな日で、『おめでとう』ってなってさあ……」
坂井 「(遮って)いや、ハッピーは人それぞれなんだよ。お前のハッピーと違うのよ。俺のハッピーって、不幸の上に成り立ってるハッピーだからさ。その歴史を説明しようと思ったんだけど」
たしかに、結婚発表の流れでハッピーを貫くか否かは人それぞれだ。「結婚=人生の新章のスタート」なのだから、坂井は半生を語ろうとした。結婚という重大な節目だから、人生を振り返って伝えたかった。
金ちゃんの気持ちもわかる。結婚を報告した直後に坂井が始めたトークが重すぎたため、雰囲気を変え、笑いの空気でショーとしてのラジオをやりたかった。同時に、相方の思いを受け止めたい気持ちも彼の中で共存している。ラジオに対するどちらのスタンスもわかるだけに、より聴き応えは増したという皮肉。予定不調和の“本音ラジオ”であり、“人間ラジオ”だ。
坂井 「最初に、俺が軽快にハッピーにしゃべって。(TKOの)木下さんとか木本さんの話とか、あそこって俺的に心がない部分なのよ。絶対にこの話(人生の振り返り)にはつなげようと思っていたから」
金ちゃん 「そこはもう、俺も知ってたよ。『この話はする』って(本番前に)言ってたけど、空気感は(俺に)伝わってなかったね」
坂井 「こうなってしまった以上、これで成立させるしかないから。でも、ここからでもいいから、俺の思いをお前に聞いてほしいというか」
金ちゃん 「それは、しゃべってもらってね……」
坂井 「(遮って)こうなった以上、お前のコーナーとか台本見ながら進行するというのも取っ払おうよ。取っ払ってやってきたんだから、鬼越トマホークっていうのは」
金ちゃん 「それは、全然大丈夫だから」
予定通り進まないジレンマ、もしくは空気を入れ替える目的なのか、トークを中断させてまで挟み込まれる曲やCMがこのへんから妙に多くなった。しかも、この最悪のタイミングで流れた曲は、鈴木紗理奈「シャレになんない」である。これは、ディレクターからのメッセージか? 選曲で鬼越をイジる格好になっているが、聴いている側は反応が難しい。
「台本無視を宣言 → CM → トーク再開 → 1分後に鈴木紗理奈の曲を流す → CM」という流れからは、あまりにもな緊迫感が伝わってくる。「シャレになんない」の曲紹介を鬼越にさせず、サクッと「曲に行きます、お願いします」で金ちゃんがディレクターにバトンを渡した様子からは、ブース内がかなり重い空気になっていることも窺えた。
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