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“稀代のダメ政治家”森喜朗元首相の胸像問題
さて、森喜朗元首相(85)というのは、歴代の首相の中でも一番の“悪党”かもしれない。
小渕恵三首相が突然倒れた後、彼が意思表示ができないのに、密室談合で「小渕は森がいい」といったとでっち上げ、軽い神輿の森首相が誕生した。
「サメの脳みそ、蚤の心臓」といわれた森政権は予想通り、あっという間に瓦解したが、元首相という肩書を使って、派閥を牛耳り、カネの話の臭うところには必ず森ありといわれてきた。
最たるものは、東京五輪であろう。高橋治之元理事(78)がAOKIからの賄賂を受け取ったとして、収賄容疑で逮捕された。彼が中心になって動いた、札束で東京五輪招致を成功させるためのIOC委員たちの抱き込みには、森も深く関与していたに違いないと思う。
そんな森の胸像を建立しようという話が、冗談ではなく出ていて、それに深く関わっているのが、やはり高橋元理事だと新潮が報じている。
胸像を建立しよう目論んでいる場所は、森の地元ではなく、新にできる「新秩父宮ラグビー場」のミュージアムの中だというのである。
そんなもの誰が見たいと思うのか? どうせ裏で利権が絡んでいるのだろう。
ここでも高橋元理事が蠢いていると新潮は報じている。
「今回の事業を受注するためには、JSC(独立行政法人日本スポーツ振興センター=筆者注)をはじめとするスポーツ人脈との接点、森さんの意向を把握する知見が必要です。また、新ラグビー場建設の背景には、森ファミリーによるミュージアム構想や胸像建立計画があり、そうした前提を理解した上で企画を提案しなければならない。それらを全てクリアできるのは“スポーツビジネス界のドン”である高橋さん以外にはいません」(スポーツ業界関係者)
実際に入札に参加したJVの中に高橋と関係が深いところがあるというのだ。
森がラグビーを愛していることはよくわかる。だが、自分の趣味のために多額のカネがつぎ込まれ、神宮の森の緑が壊されていくのは、東京人としては身を切られるように辛い。
高橋も逮捕前、新潮にこう語っていたという。
「あそこは、神宮の森を守ってね、木を守ってねっていう町民の意見を無視してね、全部開発しようとしているんですよ。しかも高層ビルを建てようとしているんですよ」
緑をなくす開発などやるべきではない。即刻中止にせよ。裏で動いてきた高橋が逮捕されたのだから、開発を白紙に戻せ。そう強くいいたい。
森の胸像建立というのは、あまりにバカバカしい話だが、私はこれには反対しない。それは、東京五輪の失敗の象徴として、森の悪行を後世に伝えるための「負のレガシー」として森の胸像を建てるのはいいかもしれない。
後世の人たちたちがそれを見て、「二度と繰り返しませんあんなバカなこと」と思ってくれれば、森喜朗という稀代のダメ政治家も、少しは役に立つのかもしれないからである。
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