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80年代の長崎、でも“昭和賛美”映画じゃない

尾野真千子の母ちゃん役がスゴい! 令和に昭和なド直球少年映画『サバカン SABAKAN』

尾野真千子の母ちゃん役がスゴい! 令和に昭和なド直球少年映画『サバカン SABAKAN』の画像1
昭和の食卓風景©2022 SABAKAN Film Partners

 大人になった私たちは、日々の生活の中で、子どもの頃の思い出をどんどん忘れていってしまう。でも、人間の記憶というのは不思議なものだ。どこかの記憶の引き出しにしまっていたものを、ふと何かを見て突然思い出してしまうことがある。そのときに見た景色や、そのときの感動が、鮮明に蘇ることもあるだろう。

 そんな子ども時代の記憶と一緒に、私たちは“何か”を置いてきてしまったのかもしれない。置いてきてしまった“何か”は、人によって全く異なるだろう。たしかに忘れてきてしまった気がするのに、具体的にそれが何なのかをはっきりと言うことはできなかったりもする。

尾野真千子の母ちゃん役がスゴい! 令和に昭和なド直球少年映画『サバカン SABAKAN』の画像2
(右)竹本健次役の原田琥之佑、(左)久田孝明役の番家一路©2022 SABAKAN Film Partners

 しかし、一度立ち止ってしっかり探求してみると、それが人生において大切なものだったりもするのだ。その、具体的には表せないような、子どもの頃に感じた“何か”や、思い出の探求を描いた映画『サバカン SABAKAN』が、8月19日から公開される。

 今作は、大人気ドラマ『半沢直樹』(TBS系)やNetflix配信の相撲ドラマ『サンクチュアリ -聖域-』など、多くの作品を手掛けてきた脚本家で元お笑い芸人・金沢知樹監督の長編デビュー作。自身の経験と創作をミックスした、半自伝的フィクションである。

【ストーリー】 
1986年の長崎。夫婦喧嘩は多いが愛情深い両親と弟と暮らす久田孝明は、斉藤由貴とキン消しが大好きな小学5年生。そんな久田は、家が貧しくクラスメートから避けられている竹本健次と、ひょんなことから“イルカを見るため”にブーメラン島を目指すことに。海で溺れかけ、ヤンキーに絡まれ、散々な目に合うが、この冒険をきっかけに二人の友情が深まる中、別れを予感させる悲しい事件が起こってしまう……。

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