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日刊サイゾー トップ > エンタメ  > ブラマヨ吉田がパチンコから学んだこと

ブラマヨ、“第1章”の終焉と吉田がパチンコから学んだ「他人、関係ないやろ、まず俺やろ」

「自分の目の前の台(お客さん)と向き合うことが大事」

 この書籍、「パチンコ」「芸人としての生き方」といったデータを元に成功指南が綴られているため、読むと不思議な説得力に溢れている。特に印象に残ったのは、「“連れパチ”の時の言動で見えてくる人間の内面」というページだった。

「パチンコは勝負事ですから、出たり出なかったりしますけども、そういう時にその人間の性格がモロに出るんです」
「自分が2500発出してても、友達が1万発出してたら負けた気がするんです」
「『ええな、あいつだけうまくいってるやん』、『よしよし、あいつ飲まれてるな』とか、自分の出玉よりも友達の台を気にしてたりする自分がいましたね」

 パチンコ体験で得た吉田の気付きは、芸人生活を送る上でそのまま糧になった。

「えらく後輩のキングコングがバーっと売れたりした時に、そいつらがスベることを祈る自分がいたんですよね。『あいつらの立場が俺以下であってほしい』っていう感覚……パチンコの時の感覚に似てたんですよ」
「『この感覚、俺は芸人になってもまだ持ってんねや』と気がつきました。『他人、関係ないやろ、まず俺やろ』と」
「自分の目の前の台(お客さん)と向き合うことが大事ちゃうんか?」

 今回、番組内でブラマヨの2人はコンビの現状についてこう述べている。

吉田 「僕はいつまでも東京で頑張る気もなかったから、(東京に住み続ける小杉に)『何やってんのかな?』みたいな状態で、しばらくは気まずい感じやったですけど」
小杉 「『もうちょっと、東京かな?』って思ってたのが、だいぶ早い段階でそこ(拠点を大阪に移す)を考えるべきやと知ったんで、ちょっとギクシャクした時期もあったんですけど」
東野 「今は(ギクシャクは)クリアしてんの?」
吉田 「クリアしてます」
小杉 「大阪で漫才できるようになりたいっていうのは、僕も思ってることなので」
東野 「将来的には、NGKのトリの漫才師に向けて……ってことでしょ?」
吉田 「そうですね。だから、はっきり言ってしまえば、ブラックマヨネーズ第一部は終了したかなって感じです」

 パチンコで得た「他人、関係ないやろ、まず俺やろ」という気付きが、今も生きているような気がしてならないのだ。全国区の露出だけではなく、漫才の本場で上り詰めるという道である。

 もちろん、パチンコを元にしたデータ偏重のモードに吉田が陥っているわけじゃない。彼は19歳の頃、内田裕也似の60代女性とテレクラで知り合い、一夜を共にしたエピソードがおなじみだ。

吉田 「そういう行為が終わった後、ホテルの有線で『いとしのエリー』が流れたんですよ。内田裕也さん、『これ、なに?』って言ったんです」
東野 「国民的な、ある年代から下は全員が知ってる曲よ」
吉田 「『えっ、これ知らんねや』って思ったんですけど、俺は『俺も知らんで』って」
東野 「なんの優しさ(笑)?」
吉田 「『なんやろうなあ。俺も知らんわ、この歌』って」

 つまり“データ”と“情”、両輪の男が吉田なのだ。

 毎回、若手ゲストと対峙した東野がフォローを入れる“集団芸”の炸裂で爆笑を生む流れが、『マルコポロリ!』という番組のシステムである。しかし、その構図を軽々超えてくる吉田のトークは、やはり圧巻。すべての質問に対し、面白エピソードで即座に返す2人は壮観だった。ブラマヨの第2章を楽しみに待ちたい。

 

寺西ジャジューカ(芸能・テレビウォッチャー)

1978年生まれ。得意分野は、芸能、音楽、格闘技、(昔の)プロレス系。『証言UWF』(宝島社)に執筆。

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最終更新:2022/08/17 07:00
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