トップページへ
日刊サイゾー|エンタメ・お笑い・ドラマ・社会の最新ニュース
  • facebook
  • x
  • feed
日刊サイゾー トップ > エンタメ > ドラマ  > 17歳の自分に観てほしい
宮下かな子と観るキネマのスタアたち43

『百万円と苦虫女』一歩踏み出す勇気がなく中途半端だった17歳の自分に観てほしい

『百万円と苦虫女』一歩踏み出す勇気がなく中途半端だった17歳の自分に観てほしいの画像1
写真/Kyogo Hidaka

 担当編集者のHさんが「今発売中の雑誌『POPEYE』(マガジンハウス)が面白いので良かったら参考に」と連絡をくれた。

 「POPEYE」の特集は大好きなのだが、映画特集は長年読んできていたので最近は疎遠になっていたところ。だけど今回の特集は『17歳からの映画案内。』という企画で、著名人が17歳の頃の自分へ向けて観せたい映画を紹介していた。それぞれが17歳の頃の自分を思い返しながら、自分に向けての作品を選んでいるという形が新鮮でとても良い企画だったので、今回はそれを真似て、17歳の私に向けて贈りたい作品を取り上げてみようと思います!

 17歳。ちょうど10年前の高校2年生の時期かぁ。こう考えてみると18でもなく17という年齢チョイスも絶妙なんですねぇ。

 その頃私は、華のJKライフを満喫しているはずが「大学受験に向けて」が先生達の口癖の進学校に入ってしまったので、毎日課題の山。とは言っても特に入りたい大学があったわけでも将来の夢が明確だったわけでもなかったので、私の頑張るモチベーションは皆無。女優業に憧れはあったけど、何か一歩を踏み出す勇気はなくて。なんで勉強するのか理解せずに、ただただやらねばならない与えられた最低限の課題をやって、先生に怒られるのだけは避けていたその場だけの日々でした。授業は話半分しか聞いてなくて、頭は部活動のチアダンスのことばっかりだったなぁ。

 将来を真剣に考えて何か行動したりすることもなく、好きな人さえ受身で、告白されたら好きになるという自分の意志がなかった私笑) 。そんな私を振り返って『百万円と苦虫女』を贈りたいと思った。

『百万円と苦虫女』一歩踏み出す勇気がなく中途半端だった17歳の自分に観てほしいの画像2
イラスト・宮下かな子

 蒼井優さん演じる主人公鈴子は、固定した仕事に就かずに日本中を転々としながら、アルバイトで貯金が100万円貯まったら別の場所へ移るという生活を送っている。海の家、桃の農園、フラワーショップと職もバラバラ。自分を知る人が誰もいない土地で、色々な職業を経験する姿が羨ましくて! 地元の人たちになんと言われようが、安定した職に就いていなくても自分が生きやすい生き方で心地良い場所を探す姿にとても憧れた。当時の私が観て周りに合わせるよりも、自分らしい生き方を見つける参考になればいいなぁと思う。

 だけど反対に鈴子の弟は、学校でいじめに遭っていて苦痛な毎日だったのにも関わらず、逃げずにその場所で闘い続けるんですよね。鈴子とは対照的な描かれ方。2人の生き方は全く異なるように見えるけれど、どちらも自分の意志を持って、その生き方を選んでいることは共通していて。どちらも正解なんだなぁと私は思う。決断したのが自分の意思ならば、逃げるも良し! 闘うも良し! 自分の選択が正解なんだ! と。

 自分が選択して勉強しないと決めたなら、赤点取ってもカッコいいじゃないか! 怖がって何でも中途半端なほうがよっぽどカッコ悪いぞ、とあの頃の私に気付いてほしいな。

 皆さんの17歳の自分に贈りたい映画は何ですか?

宮下かな子(俳優)

1995年7月14日、福島県生まれ。舞台『転校生』オーディションで抜擢され、その後も映画『ブレイブ -群青戦記-』(東宝)やドラマ『最愛』(TBS)、日本民放連盟賞ドラマ『チャンネルはそのまま!』(HTB)などに出演。現在「SOMPOケア」、「ソニー銀行」、「雪印メグミルク プルーンFe」、「コーエーテクモゲームス 三國志 覇道 」のCMに出演中。趣味は読書、イラストを描くこと。Twitter〈@miyashitakanako〉Instagram〈miya_kanako〉

Twitter:@miyashitakanako

Instagram:@miya_kanako

【アミューズWEBサイト公式プロフィール】

みやしたかなこ

最終更新:2023/02/22 11:28
ページ上部へ戻る

配給映画