高校野球はなぜ、団体競技なのに1対1の対戦に注目が? 夏の甲子園人気を考察
#深田憲作 #企画倉庫 #アレのどこが面白いの?~企画倉庫管理人のエンタメ自由研究~
放送作家の深田憲作です。
「企画倉庫」というサイトを運営している私が「あの企画はどこが面白いのか?」を分析し、「面白さの正体」を突き止めるための勉強の場としてこの連載をやらせてもらっています。
今回のテーマは「夏の高校野球について」です。
現在、夏の高校野球が絶賛盛り上がり中です。大会によって盛り上がりの差はあれども、高校野球がエンタメとしても圧倒的な存在感を持っていることは揺るぎない事実でしょう。
今さらながら「高校野球の何がそんなに日本人の心を掴むのか?」を真面目に考えてみることにしました。当然ながらその理由は1つではありません。私が思い浮かんだものを3つ挙げてみます。
まずは1つ目。「高校生が青春時代のピークであること」。
“青春”という言葉で思い浮かべる年代はたいてい、中学生か高校生。そして学生の部活動の集大成は、高校最後の大会と言っていいでしょう。つまりは、高校3年の夏。大人が高校野球を見た時、潜在的に「青春のラストシーンを目撃している気持ち」になっているのかもしれません。そういった意味でも春よりも夏の甲子園の方が格段に訴えかけてくるものが大きいのでしょう。
高校野球を評する時に「高校生はお金などの損得勘定ではなく、純粋な気持ちでプレーをしている姿が胸を打つ」といわれますが、子どもから大人に差し掛かる17歳18歳という年齢は、競技の技能も高く、かつ純粋さを感じさせるベストタイミングなのかもしれません。
私も高校まで野球部で活動していましたが、お金も貰えないのにあそこまでキツイ生活を耐えられたことは不思議でなりません(笑)。悪い言い方をすれば「細かい意味とかを考えない“子ども”だったから」だと思います。
ここから、企画を考える時のヒントにするのならば「お金という見返りを求めずに戦っている者たちの姿は心を打つ」ということでしょうか。
2つ目。「都道府県を背負った代表同士の戦いであること」。
国を背負った戦いであるオリンピックと同じように、高校野球の甲子園大会も日本人の所属意識を刺激しているような気がします。今は違う土地で生活していても、生まれながらに背負った「出身地」という所属意識は一生消えることがありません。自分とは全く縁もゆかりもない学生さんなのに、自分の出身地の代表校を応援してしまいます。
「応援ができる」ということは、スポーツ観戦の動機としては最高に強いものだと思います。企画を考える時にこの“所属意識”も頭に入れておくと役に立つ時が来るかもしれないと思いました。血液型、性別、世代、職種、趣味など、所属意識を刺激することで同じ企画でも1つ突き抜けたものに仕上がるかもしれません。
3つ目。「団体競技でありながら1対1の戦いにスポットが当たること」。
アマチュアスポーツを見る時、視聴者はほとんどの選手のことを名前すら知りません。そのため、サッカーやバスケなどのように激しく攻防が入れ替わる団体競技は、野球に比べると選手のことを認識する時間が少なく、入り込みにくいのかもしれません。
野球は団体競技でありながら投手と打者の1対1の対戦をゆっくり注目して見ることができます。テレビ中継では対戦中にその選手の名前やここまでの成績なども確認することが出来ます。「子どもからおじいちゃんおばあちゃんまで」といった月並みな表現がありますが、野球はアマチュアスポーツとして、万人が入り込みやすく、楽しみやすい構造の競技なのかもしれません。これも企画を考える上で「それ自体を知らない人にも楽しみ方が理解しやすいとヒットの確度が上がる」というのを頭に置いておくといいのかなと思いました。
この他にも「甲子園という記号」「猛暑と戦う過酷さ」「負けたら終わりのトーナメント」「積み上げてきた歴史と信頼」など、さまざまな要素が浮かびましたが、キリがないので今回は3つに絞って述べてみました。それでは今日はこの辺で。
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