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中山秀征、飯島直子、松本明子が再集結!

『DAISUKI!』が22年ぶり復活。現代のゆるいバラエティの“始祖”が果たした功績

『DAISUKI!』が22年ぶり復活。現代のゆるいバラエティの始祖が果たした功績の画像1
YouTube「BS日テレ公式チャンネル」より

日テレをつけると中山秀征が映っている時代が確実にあった

 1991年から9年間放送されたバラエティ番組『DAISUKI!』(日本テレビ系)が、22年ぶりに復活を果たした。8月3日、『DAISUKI!2022夏』(BS日テレ)というタイトルで一夜限りの特番が放送されたのだ。

 『DAISUKI!』は、土曜深夜0時スタートにもかかわらず、平均世帯視聴率14.7%をマークしていた番組だ。今となっては「伝説の深夜番組」と称されることも多いが、リアルタイム世代からすると、この番組に「伝説の」という形容詞が付くと、どうも据わりが悪い。

 忌憚なく言うと、まだネットもなく、深夜帯の娯楽がテレビくらいしかない時代、他に見るものがなかったからなんとなく流し見していた番組……といった程度の認識である。貶したいのではなく、その温度がちょうどよかった。夜遅くに帰宅して、ふとテレビをつけるとたまたまやっていたから、晩ごはんを食べながらなんとなく見る。週末のリラックスした気分にちょうどいいコンテンツだったのだ。

 振り返ると、当時の土曜夜のラインナップは眩しい。『THE夜もヒッパレ』(日本テレビ系)→『恋のから騒ぎ』(日本テレビ系)→『DAISUKI!』(日本テレビ系)→『COUNT DOWN TV』(TBS系)→『ギルガメッシュないと』(テレビ東京系)である。中高生男子からすると、はっきり言って『DAISUKI!』は完全に『ギルガメ』までの時間つぶしの番組だった。

 当時、中山秀征を目の敵にしていたダウンタウンは、釣りを楽しむだけの企画を行う際、「今日は『DAISUKI!』みたいな感じにしたいと思います」(松本)と吐き捨て、信者(当時のテレビ視聴者の大多数)を爆笑させていたものだ。要するに、『DAISUKI!』はぬるい深夜バラエティの見本みたいな番組だった。

 一方、爆笑問題の太田光は『DAISUKI!』のファンだったことを古くから公言している。芸人になる若者は、一度は中山秀征をバカにし、テレビを理解するほどに中山秀征の腕を思い知る……という道程を辿りがちだ。当時、土曜の夜は中山がテレビに出ずっぱりだったし、日テレをつけるとだいたい中山が映っている時代が確実にあった。

 今回の復活スペシャルで嬉しかったポイントは、オープニング曲が当時のままだったこと。山下達郎が在籍した、シュガー・ベイブの「SHOW」。この曲を聴くと、一瞬で90年代の土曜深夜にタイムスリップする。今思うと、このバンドの存在を知ったきっかけは『DAISUKI!』であった。

 当時、知る人ぞ知るバンドだったシュガー・ベイブのアルバム曲(シングルは「DOWN TOWN」)をオープニングに選ぶ、番組制作陣のセンスが尖っている。しかし、そんな事実を微塵も感じさせなかった番組内容のゆるさ。ここに、この番組の成功の秘密があった。思えば、今の深夜番組にはナチュラルなゆるさがなくなったと思う(意図的なゆるさはある)。昔は“ゆるさ”が享受できた『タモリ倶楽部』(テレビ朝日系)も、いつの間にか緻密になっていた。

 個人的にも、『DAISUKI!』にまつわる思い出はある。毎週、共演者の松本明子&飯島直子と腕を組みながらぴったりくっついて歩く中山。見ると、飯島の胸がいつも中山の腕に当たっていたため、筆者は勝手にムカついていた。その程度の熱量で見る番組だったのだ。「伝説の」なんて持ち上げ方をされると、番組の醍醐味である“ゆるさ”が薄くなってしまい、違う気がする。

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