ガーシー議員の“懲罰必至”国会欠席が突き付けた“日本政治の分岐点”
#政治 #YouTube #東谷義和
「あんな野郎を野放しにはできないが、どうしようもないんだよな」
そう参議院議員が嘆息するのは、7月の参院選で初当選したNHK党のガーシーこと東谷義和氏(50)が、8月3日召集の臨時国会を欠席した事だ。
ガーシー氏は「不当逮捕の可能性がある」と主張し、滞在先のアラブ首長国連邦(UAE)から帰国しないため、参議院議員運営委員会に「海外渡航届」を提出。同委員会は全会一致で承認せず、出席を求めたがカエルの面にションベン状態。
「本来、政治家ならば国会議事堂の赤絨毯を踏みたいはずなのに、彼には興味がないのだろう。このままだと懲罰委員会が開かれる事になるが、懲罰は『戒告』『陳謝』『一定期間の登院停止』『除名』の4種類。一番重い除名は、本会議で出席議員の3分の2以上の賛成が必要。ただし参議院では、過去、1950年に一度しかない。いきなり除名の議決にはならないだろうから、秋に召集される次の臨時国会まで問題は持ち越しになる。それほど国民の信託を得た責務は重いんだよ」(参院議員)
著名人の暴露話を配信する”暴露系ユーチューバー”として知名度を上げたガーシー氏は、参院選で28万票を獲得。ユーチューブのアカウントがBAN(停止)されながらも、自叙伝『死ねばもろとも』(幻冬舎)が発売直後に10万部を突破し、勢いは衰えていない様子。
「これは選挙、政治の在り方を考えなおさないといけないのかもね」
野党の若手衆院議員は、そうしみじみと語る。
「ウチが支援した参院選候補は、炎天下、声をからし、汗でびちょびちょになり、真っ黒に日に焼けながら活動したが落選した。なんでガーシーなんかが当選するんだ……とバカらしくなるよ。でも、それほどネットの影響力が無視できなくなったという事。『握手の数だけ票が入る』という時代から、変化したということだろう」
その変化は、政治家を取材する記者側にも生じているようだ。政治部デスクが語る。
「政治家はこれまで、政治記者と丁寧に接する事でメディアを取り込もうとした。それは政治家がメディアを敵に回しては、選挙は危うくなるし、良いポストを得られないためです。しかしガーシーのように、取材に応じなくても当選できるのなら、われわれがこれまでやってきた政治家との付き合い方が見直される事になる」
NHK党の立花孝志党首はガーシー氏について「国会をバカにする国会議員が1人いていいと思っている」とまで言い放った。
政治家・ガーシーの振る舞いに眉を顰めるのは簡単だが、その存在は、「政治とは何か?」を突き付けているのかもしれない。
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