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中村倫也×有村架純『石子と羽男』の好調を支える、赤楚衛二“大庭”の魅力

中村倫也×有村架純『石子と羽男』の好調を支える、赤楚衛二“大庭”の魅力の画像
ドラマ公式サイトより

 TBS系金曜ドラマ『石子と羽男ーそんなコトで訴えます?ー』が、着実に評価を集めている。世帯平均視聴率こそ、7月29日に放送された第3話は6.8%(関東地区・ ビデオリサーチ調べ)と数字は高くないが、同日に発表されたオリコン満足度ランキングでは2位以下に大差を付けて首位を獲得と、視聴者の支持を集めている様子。TVerでも総合ランキング上位の常連となっており、Paraviの総合ランキングでも週間1位となるなど、配信も好調。今期注目のドラマであることは間違いない。

 そんな『石子と羽男』を、W主演を務めるヒットメイカーの有村架純と中村倫也、また意外にも連続ドラマ初レギュラーとなるさだまさしといった豪華面々とともに盛り上げているのが、赤楚衛二である。赤楚が演じるのは、第1話で依頼人となった元・中古車販売店員の大庭蒼生(おおば・あお)だ。カフェのコンセントを無断利用していたことで訴えられ、高校の先輩であった石子(有村架純)の実家・潮法律事務所の戸を叩く。その後、職場で受けていたパワハラに話は発展し、現在は退職。転職活動中は潮法律事務所にアルバイトとして雇われている……という立ち位置だ。

 赤楚といえば、2020年10月期に放送された『チェリまほ』こと『30歳まで童貞だと魔法使いになれるらしい』(テレビ東京系)で主人公の安達清を演じたことで一躍世間に名が知れた役者である。2022年後期の連続テレビ小説『舞いあがれ!』ではヒロイン・岩倉舞(福原遥)の幼なじみ役で出演も決まっている。名古屋の男性アイドルグループ出身で、2015年から俳優としての活動をスタートした。『チェリまほ』では思わず応援したくなる愛らしさを持つ安達を演じていた赤楚だが、『石子と羽男』でもその“愛され力”は健在だ。SNSでは「大庭くんのかわいさ全開」「赤楚くんほんと……こういうカワイイ男の子やったら最強やな」などと人気を博している。

 たしかに赤楚演じる大庭のかわいらしさには、あの有村架純が演じる石子さえも差し置くモノがある。第1話、高校時代の回想シーンで見せた剣道着姿のきらめきも眩しかったが、大庭の魅力が光るのは、回を追うごと増す恋心がのぞく場面だ。第2話で羽男(中村倫也)から「石子さんのこと、好きなの?」と直球な質問をされてからというもの、大庭は明らかに石子を意識してしまうようになる。落ち込む石子を励まそうと面白い話を披露するも失敗したり、第3話では好きな映画監督の新作を観に行かないかと不器用に誘ってみたり、とにかくピュアで健気なのだ。羽男と石子が恋愛面にドライであるぶん、大庭に与えられた恋愛要素はドラマのいいスパイスになっている。

 さらに好印象なのは、大庭が恋愛的な当て馬キャラとしてただ“消費”されるのではなく、ストーリーの本筋にもしっかりと関わっていく点だ。SNS上にも「大庭くんは石子先輩に恋心を抱く後輩という恋愛要員だけではなくて、法律事務所で一般人が『?』と疑問に思うところを説明するのに必要な役どころだと思う」という感想が上がっていたが、潮法律事務所に属する石子や羽男、そして石子の父・綿郎(さだまさし)の3人が法律に精通している人物であるのに対して、大庭はただ一人、多くの視聴者と同じ素人だ。そのため、第2話で未成年の親子がスマホゲームへの課金トラブルを持ち込んだ際も、大庭は石子に対して「子どもがやったからってなし(帳消し)にするの、モヤモヤするんですけど」と率直な意見をぶつける。すかさず石子が「気持ちは分かりますが、未成年の過失は社会全体でカバーすべきというルールなんです」と説くことで、視聴者がすんなり理解しやすくなる。また第3話の「ファスト映画(映画作品などを短く編集して違法にアップロードされたもの)」訴訟では、大庭が被害監督のファンであったことが物語を動かすキーとなっていた。最終的に導かれた犯人の深い反省と償いきれない罪の重さは、大庭がいなければ成り立たなかったラストだろう。

 視聴者が共感しやすい唯一無二のポジションで、恋愛的にも人間的にも奮闘している大庭の姿が魅力的に映らないはずがない。この先、赤楚の演じる大庭がどんな成長を見せてくれるのか今からとても楽しみだ。

■番組情報
金曜ドラマ『石子と羽男ーそんなコトで訴えます?ー
TBS系毎週金曜22時~
出演:有村架純、中村倫也、赤楚衛二、おいでやす小田、さだまさし ほか
脚本:西田征史
音楽:得田真裕
主題歌:RADWIMPS「人間ごっこ」(Muzinto Records / EMI)
プロデュース:新井順子
演出:塚原あゆ子、山本剛義
編成:中西真央、松岡洋太
製作著作:TBSスパークル、TBS
公式サイト:https://www.tbs.co.jp/ishikotohaneo_tbs/

東海林かな(ドラマライター)

福岡生まれ、福岡育ちのライター。純文学小説から少年マンガまで、とにかく二次元の物語が好き。趣味は、休日にドラマを一気見して原作と実写化を比べること。感情移入がひどく、ドラマ鑑賞中は登場人物以上に怒ったり泣いたりする。

しょうじかな

最終更新:2022/08/05 11:30
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