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日刊サイゾー トップ > エンタメ > お笑い  > 『テレビは全部嘘』の深刻さ

お見送り芸人しんいち、今度は問題発言『テレビは全部嘘』は大丈夫か?

『水ダウ』を敵に回すような発言をわざわざするか?

 しんいちさんは

「まぁ僕自身どこまで使われてて、そしてスタジオでどういったトークとかがされているか分からないんですが」と前置きした上で
「全部嘘というか……嘘なんです。そう言わされてるというか……」
「盗聴器が入ってたことでちょっとテンパった感じなんです」
「誤解されたくないのが、女性系のことをこう……ファンをみたいな……全部嘘なんです。キャラクターというか言わされたというか。台本みたいなもんがあったというか。なんで信じて欲しくないと思います」
「やっぱテレビ……ほんとテレビって全部嘘なんです。これもあんま言いたくないですけど」

 これが本当なら、なかなか思い切った発言である。そして続けて自身の女性に対する思いをこう発言した

「シロです。昭和の芸人っぽい感じのことはしていないというか。実際、彼女もいませんけど今……。1人の女性を愛したいというのは変わらんというか。あの『水曜日のダウンタウン』の出来事は、全部ウソです」と。

 この動画は特にオチがあるわけでも、笑いに変換するわけでもなく、ただひたすらしんいちさんが、スタッフさんと2人で淡々と話す動画になっている。

 芸人がこんなことをするだろうか? 『水曜日のダウンタウン』のしんいちさんはちゃんと悪者になっていたし、これで炎上をしたとしても芸人としては「美味しい」状況だったのは間違いない。わざわざ「自分は女遊びしていません」と言いたいだけで、あの番組を敵に回すだろうか? 絶対にそれはないと思うし、事務所もそんな危険な橋は渡らせないと思う。

 しかもこの動画を見てやけに「テレビは嘘だ」と言っているので、もはやギャグのように捉えて欲しいのではないかとさえ思う。

 例えばこの「自分は女遊びしていません」動画を「女遊びしている芸人」が女遊びしたいから必死に嘘までついて、動画を撮って投稿しているのなら面白い。全部テレビのせいにして「僕は潔白です」なんて最低の芸人だ。その最低さを笑いにしたいのではないのかと思ったが、もしそうだとしたらこのYouTube動画では説明が足りなさすぎる。

 編集する時間が無かったとはいえ「全部嘘です」のテロップを大きくするだけでなく、嘘をつくところだけ唇のアップにしたり、貧乏ゆすりが激しくなったり、スタッフが「本当に遊んでないんですよね?」と確認するがそれには絶対に答えないなど、少しわかりやすくするべきだった。

 しんいちさんの本当の狙いがわからないので、何とも言えないがもしそうだとしたらもっと、ベタにしたほうが笑いになったと思う。このくらいの動画だと、本当に「テレビは嘘」と言っているようにしか聞こえないリスナーは山ほどいるだろう。それだと、テレビもしんいちさんも共倒れしてしまう。すこし変化球な笑いをしたかったのかもしれないが、悪役になり切るのならもっと直球勝負でやった方がいい。例えば誰を見習えば良いのか?

 それは同じ日の放送に出ていた5GAPだ。あれほど王道のベタなボケで笑いを起こせる芸人はそういない。しかししんいちさんはR-1のチャンピオン。つまりしんいちさんがやるボケは、王道のボケということになってしまう。そうなると今の世の中、王道のボケが必要なのではなく、それよりも必要なのは幸せなるようなボケ。つまり王道じゃなくて幸道の方が大事なんじゃないだろうか。

 5GAPはまさに幸道の芸人。こんな芸人なかなかいない。

 元気が無くなったら見ることにしよう。必ず幸せになれるはず。

 なぜか5GAPで話を締めてしまった……恐るべし5GAP

檜山 豊(元お笑いコンビ・ホームチーム)

1996年お笑いコンビ「ホーム・チーム」を結成。NHK『爆笑オンエアバトル』には、ゴールドバトラーに認定された。 また、役者として『人にやさしく』(フジテレビ系)や映画『雨あがる』などに出演。2010年にコンビを解散しその後、 演劇集団「チームギンクラ」を結成。現在は舞台の脚本や番組の企画などのほか、お笑い芸人のネタ見せなども行っている。 また、企業向けセミナーで講師なども務めている。

Twitter:@@hiyama_yutaka

【劇団チーム・ギンクラ】

ひやまゆたか

最終更新:2022/08/02 13:00
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