『ジュラシック・ワールド/炎の王国』はオマージュを焼き払い原作とかけ離れた展開に
#金曜ロードショー #しばりやトーマス #金ロー
『ジュラシック・ワールド/炎の王国』は原作さえも超えてしまった!
前シリーズでクローン恐竜を誕生させたウー博士が今回も登場し、前作のインドミナス・レックスを超える新種、最強にして最凶の恐竜、インドミナス・ラプトルを開発。この恐竜が暴れ出したことでまた犠牲が生まれる。あいかわらず金儲けしか考えていない悪役たちには観客からすると「いいかげんに学べよ!」って感じなのですが、歴史から学ばないのが人間の業かもしれない。進化したテクノロジーは決して後戻りすることはないが、人間は過ちだとわかっていても歩みを止められない生き物なので、間違っていても暴走する。
ハモンドとともに恐竜のクローン技術を研究していたベンジャミンは、一人娘を事故で失った悲しみから禁断の技術で娘をよみがえらせる。禁忌を犯したことがハモンドとベンジャミンが袂を分かった理由だが、恐竜をクローンで生み出したこともまた禁忌であったといえる。画して恐竜は人間の世界に解き放たれる。人間と恐竜が共存する時代の到来。これこそがジュラシック・ワールドなのだと。
前作『ジュラシック・ワールド』は『ジュラシック・パーク』シリーズのオマージュがふんだんに盛り込まれ、シリーズの再スタートという位置づけであったが、続編『炎の王国』はこれまでのシリーズを文字通り焼き払い、炎の海に沈めた上で新たに誕生した作品だ。
原作者、マイケル・クライトンの小説『ロスト・ワールド ジュラシック・パーク2』(映画『ロスト・ワールド/ジュラシック・パーク』の原作)では、軍の攻撃でパークは破壊された。前3部作でも描かなかったパーク崩壊を本作は遂行、もはや原作者が想像もしなかった世界に本シリーズは旅立とうとしている。果たして人間の世界は、恐竜という種との戦争に敗れて寿命を絶たれるのか、共存の道を探るか。
まもなく日本公開されるシリーズ完結編『ジュラシック・ワールド/新たなる支配者』には、前シリーズのキャラクターも再登場する。見事大団円となるか、それとも……劇場に行く前にまず、金曜ロードショーで前作を補習して行こう!
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