韓国×タイ合作ホラー『女神の継承』ファウンドフッテージ映画を“メタ的”に楽しむ?
#映画
『哭声/コクソン』(2016)で知られる韓国の鬼才ナ・ホンジンが原案・プロデュースを務め、タイの監督バンジョン・ピサンタナクーンとタッグを組んだ“祈祷ホラー”映画『女神の継承』が、7月29日から公開される。
今作は『ブレア・ウィッチ・プロジェクト』(1999)や『パラノーマル・アクティビティ』(2007)、そして今夏話題のNetflix台湾映画『呪詛』(2022)など、いわゆるファウンド・フッテージ(モキュメンタリーの一種)映画だが、当初は『哭声/コクソン』の続編、舞台も同じ韓国として企画されていたものだ。
『哭声/コクソン』とは全く違う作品になってはいるものの、祈祷師の物語を別の角度から掘り下げていくというコンセプトは今作にも活かされている。
タイの田舎(東北部イサーン地方)の密林地帯という、ただでさえどこかミステリアスな雰囲気が醸しだされる独特のシチュエーション。アメリカやヨーロッパなどの田舎とはまた違った不安感がある。
そして雨の日も多く、全体的にじめっとした空気に包まれている。作中に溢れるただならぬ雰囲気と言葉に言い表せない違和感といった部分に関しても、舞台が韓国からタイに移されたとはいえ、じんわりと『哭声/コクソン』色を残しているのが随所にみられ、共通する部分も多い。
そんなイヤ~な雰囲気の中で巻き起こる不気味な出来事の数々を、私たちの視点の代弁者となったカメラマンの目線で追い続ける。
【ストーリー】
タイ東北部の村で脈々と受け継がれてきた祈祷師一族
美しき後継者を襲う不可解な現象の数……。
小さな村で暮らす若く美しい女性ミンが、原因不明の体調不良に見舞われ、まるで人格が変わったように凶暴な言動を繰り返す。途方に暮れた母親は、祈祷師である妹のニムに助けを求める。もしやミンは一族の新たな後継者として選ばれて憑依され、その影響でもがき苦しんでいるのではないかー。やがてニムはミンを救うために祈祷を行うが、彼女に取り憑いている何者かの正体は、ニムの想像をはるかに超えるほど強大な存在だった……。
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