『全力!脱力タイムズ』ヒコロヒーゲスト回、懲りすぎたギミックで本末転倒?
#ヒコロヒー #全力!脱力タイムズ
最大の伏線が「本編が面白くない」という本末転倒
最大の伏線が、「本編が面白くなかった」になっているのは皮肉だ。当然である。ヒコロヒーは3段オチの2番目、フリのポジションにいたのだから。ツッコミ役として弱かったし、なんならツッコミをしない場面すらあった。そのわりにサクサク先に進むし、変な違和感はずっとあった。実は、裏で井上がずっとツッコんでいたのだ。決して、ヒコロヒーのツッコミの弱さやリアクションの下手さをイジる回ではなかったし、本当にリアクションが下手なら足つぼマッサージの際の迫真の演技も説明がつかない。
「うわ、どんでん返しだ!」で、今回は大団円に収まった……と、体よく言い切れないのがバラエティの難しさだと思う。最後の数分間のために笑いどころの井上を全カットし、弱い部分だけを残したのだから本末転倒だった気もする。すき焼きから牛肉を捨て、その残りを食べ続けるようなフリが延々続いていたのだから。
オチのために30分以上もの本編をフリに費やせるのは、『脱力タイムズ』の真骨頂だと思う。でも、その30分が生殺しだった。ギミックに力を入れすぎ、“面白”より“サプライズ”に注力する仕掛けだった。若村とヒコロヒーの2人のみではオチがなく、番組の大半が面白くならないという裏腹さ。あと、ヒコロヒーが真面目にダメ出しされる姿も見てみたかったし、「そっちのほうが面白かったのでは?」という気持ちもある。
「コンプラ委員会」の後、スタジオに登場した井上は思いの丈を爆発させた。
井上 「この番組ダメよ。この番組、井上映れない! 流さんでええから、俺に同録全部くれ! 俺が頑張ったとこだけくれ!!」
有田 「いや、絶対悪いようにはしませんから、井上さん。うちの番組、最多出場ですから」
井上 「最多出場やけど、最少分数しか映ってない! どうなってる!? なぜ、最多出場が一番映ってない!!」
「最多」出場回数という単位を、「最少」の分数で対比したあたりはお見事。ヒコロヒーが言うところの「食ったツッコミ」だった。この日も井上は冴えていたのだろう。そんな彼の大オチ部分をカットし、“サプライズ”に針を全振りした今回。奇をてらうなら、圧倒的に面白くなければならない。新しいことをやろうとしすぎていた気がする。
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