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日刊サイゾー トップ > 連載・コラム  > “30年ぶり2度目”の記事と責務

「旧統一教会とはどんな団体なのか?」“30年ぶり2度目”の週刊誌記事とその責務

岸信介「文尊師は、誠実な男」安倍家三代との因縁

 自民党の政治家と統一教会との関係は長く深い。前に文春が報じたように、

「統一教会は古くから保守政治家との関係が近かったのは事実です。その基盤は、一九六八年に創始者・文鮮明氏が設立した、反共主義を掲げる政治団体『国際勝共連合』。“戦後のフィクサー”笹川良一氏が名誉会長に就き、笹川氏との交友で知られた岸信介元首相も勝共連合の設立に尽力したとされています」

 岸の孫である安倍元首相との関係は様々いわれている。霊感商法などで世論の厳しい批判を受けた統一教会は名称変更をしようとしたがなかなか認められなかった。宗教団体が名称を変えるなどということは極めて異例で、何としてでも悪い評判が染みついた教団名を変えたかったのだろう。文化庁がこれを承認したのは安倍政権時代になってからだった。

 今週も文春は、統一教会の名称を変更した下村博文元文科大臣や車を提供してもらっていた高村正彦前副総理を追及している。

 だが、この問題の原点は、先も触れたように岸信介である。

 安倍家三代と統一教会との太いつながりを示す「証拠」を発見したというのだ。

 新潮が報じている機密資料とは、安倍元総理の祖父・岸信介元総理が1984年に当時の米大統領、ロナルド・レーガンに宛てた親書である。

「この書簡は、関連資料を保管する米カリフォルニア州のロナルド・レーガン大統領図書館のファイルに収められているもの。ジャーナリストの徳本栄一郎氏が5年前、本誌(「週刊新潮」)の依頼で同所を訪れた際に発掘した、この貴重な文書に登場するのは、統一教会の開祖・文鮮明の名前だ」

 そこにはこう書かれている。

〈文尊師は、現在、不当にも拘禁されています。貴殿のご協力を得て、私は是が非でも、できる限り早く、彼が不当な拘禁から解放されるよう、お願いしたいと思います〉

 出された日付は84年11月26日。差出人は岸信介。文鮮明はその前に、アメリカで脱税容疑にて起訴され、84年4月には懲役1年6カ月の実刑判決を受けて連邦刑務所に収監されていた。つまりこの書簡は、日本の元総理がアメリカの現職大統領に宛てて、韓国人「脱税犯」の逮捕が不当だとして釈放を依頼するという、極めて異例の内容なのだ。

 手紙の後半に進むと、岸氏の懇願調は増している。

〈文尊師は、誠実な男であり、自由の理念の促進と共産主義の誤りを正すことに生涯をかけて取り組んでいると私は理解しております〉

 さらにこうも書かれているという。

〈彼の存在は、現在、そして将来にわたって、希少かつ貴重なものであり、自由と民主主義の維持にとって不可欠なものであります〉

 この頃には、統一教会の悪質な「霊感商法」が世の指弾を受けていた。

 それなのにぬけぬけと「文尊師は、誠実な男」だなどとよくいえたものだ。

 岸、安倍晋太郎、そして晋三へと、統一教会との関係は脈々と受け継がれてきたと考えていいはずだ。

 不思議な因縁、事実は小説より奇なり。今回の事件は、そういうしかないのではないか。

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