吉岡里帆が盲信的な女性を熱演する、凄惨な沖縄戦を描く力作『島守の塔』
#吉岡里帆 #ヒナタカ
戦禍を通じて生命の尊さを示す
タイトルになっている「島守の塔」とは、沖縄県糸満市の平和祈念公園内にある、島田叡と荒井退造をはじめ、県民の安全確保のために身を投げ出した戦没県職員469柱を祀る慰霊塔だ。それが建てられる理由、転じて「物語」を知ることもまた、本作の意義だろう。
また、重要な役柄を演じる香川京子は、本作と同じく沖縄戦を描いた『ひめゆりの塔』(1953)にも出演していたという文脈もある。彼女が劇中で口にする言葉こそ、本作のテーマそのものと言っていい。
あえて気になったことを指摘するのであれば、やや説得力に欠けた画やシチュエーションが、いくつかみられたことだろうか。とはいえ、コロナ禍のために1年8カ月もの撮影中断を余儀なくされ、いくつかの撮影は取りやめになり、そもそもの予算が限られた中でも、最大限に沖縄戦や空襲の悲惨さを提示する尽力は、役者陣の熱演や撮影の工夫から存分に伝わる。戦禍を通じて生命の尊さを示す試みは、間違いなく成功していたと言っていい。
何より、沖縄戦のことを全く知らなくてもわかりやすい内容であるし、前述したコメディ的なシーンなどの親しみやすさもある。お堅い内容だろうと敬遠されることなく、より多くの方に観てほしいと願える一本だ。
吉岡里帆、インスタ乗っ取り騒動を爆笑に変えたトーク力! ナイツとの掛け合いも見事
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7月22日(金)よりシネスイッチ銀座ほかにて全国公開
萩原聖人 村上淳
吉岡里帆 池間夏海/榎木孝明/成田浬 水橋研二/香川京子
監督・脚本:五十嵐匠 脚本:柏田道夫 音楽:星 勝
製作:映画「島守の塔」製作委員会
配給:毎日新聞社 ポニーキャニオンエンタープライズ
助成:文化庁文化芸術振興費補助金(映画創造活動支援事業)| 独立行政法人日本芸術文化振興会
C)2022 映画「島守の塔」製作委員会
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