ディズニープラスがMCUを終わらせる?『ソー:ラブ&サンダー』評価イマイチな事情
#映画 #アメコミ #MCU
マーベル・コミックを原作とする映画シリーズ「マーベル・シネマティック・ユニバース」(以下、MCU)”の最新作『ソー:ラブ&サンダー』が、7月8日に公開された。公開初週と第2週の北米週末興行ランキングでは2週連続1位となったが、過去のMCU作品に比べると、勢いはイマイチだとか。
「『ソー:ラブ&サンダー』は『マイティ・ソー』シリーズの第4作で、主演のクリス・ヘムズワースやナタリー・ポートマンが出演。これまでMCU作品に触れたことのない方にとってはイメージと違うのかもしれませんが、実はギャグ要素も満載の作品です。ただ、初週の3日間で1億4300万ドルの北米興行収入だったのに比べて、2週目は4600万ドルと下落率が前週比−68.1%と、かなり下がってしまっているんです。これは、今年5月に公開された『ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス』でも同様で、MCUの人気が“短期集中型”になってきていると言えます」(映画関係者)
初週の興収が高く、2週目以降の下落率が高いということは、作品の評価が決して高くないことを意味している。
「口コミで“おもしろい”ということが広がれば、2週目以降も観客は減らないはず。初週だけ客が入るというのは、公開を心待ちにしているようなコアなファンは多いけど、それ以外のファンには届いていないということでしょう」(同)
世界歴代興行収入ランキングベスト10を見ると、2位『アベンジャーズ/エンドゲーム』(2019年)、5位『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』(2018年)、6位『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』(2021年)、9位『アベンジャーズ』(2012年)と、MCUから4本の作品が入っている。世界で最も人気のあるシリーズであるMCUだが、どうして今、評価が下がってきているのか。
「MCUでは、2021年からディズニープラスでオリジナルドラマ作品が配信されるようになりました。ドラマシリーズが加わったことで作品数が一気に増え、MCUのすべての作品を追うのが難しくなっているんです。また、今年公開された『ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス』などは、ドラマシリーズを見ていないとわからない設定もあり、ライトなファンを置いてけぼりにしている状況でもあるんです」(同)
作品数が増えれば、当然ながらキャラクター数も増える。原作のマーベル・コミックのファンにとってはうれしいことかもしれないが、それが逆効果になっているとの声も。
「原作を知らない映画ファンにしてみれば、ヒーローが増えるとその関係性が複雑になるばかりで、把握しきれない。しかも、MCUの場合、作品をまたいでヒーローやヴィランが登場するので、1本だけを見てもすべてが理解しにくい。初期の頃からMCUのこういった問題点は指摘されていましたが、ディズニープラスのドラマシリーズが増えたことで、より顕著になったといえます」(同)
とはいえ、MCUのドラマシリーズの効果もあってか、ディズニープラスの会員数は増加している。
「“ドラマを見なければ、映画が理解できない”という状況を作った背景に、ディズニープラスへの誘導という狙いがあったのは、言うまでもありません。そういう意味では、ディズニープラスの会員数増加は思惑通りでしょう。しかし、このままではMCUの映画作品の評価がどんどん下がっていき、人気は長続きしなくなってしまう恐れもある。キャラクター数を増やすだけ増やして、大風呂敷を広げたはいいけど、うまくまとめられないという未来が見えています」(同)
世界での人気に比べると、日本国内でのMCUの支持率はそこまで高くないと言われている。
「そもそも、日本国内ではマーベル・コミックの人気がそこまで高くない。あまり馴染みのないヒーローたちの映画ということで、万人に受け入れられるという感じではありません。そのうえで“ディズニープラス加入必須”なんて状況になったら、余計に日本でのMCU離れが進んでいきそうだし、あるいはMCUサイドが日本の市場を完全無視する可能性もある。正直、MCUファンにとってはあまりいい状況ではありません」(同)
このままでは『アベンジャーズ/エンドゲーム』をピークとして、衰退を迎えてしまう可能性のあるMCU。初見の観客もしっかり楽しませるような作品を生み出すことが急務かも。
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