アイドルと働き方改革──ジャニーズ・BTSの労働負荷が高い3つの理由
#アイドル #ジャニーズ #BTS
「あるある」では済まされない! ビジネスモデルの再構築が急務
ところで私自身、一人の労働者として、働き方改革は非常に難しい問題であると日々痛感しています。実はこのコラムは本来、7月上旬に公開する予定でした。しかし私の本業であるIT業でトラブルが発生し、一時的に労働環境が極端に悪化し、無理を言ってコラムのスケジュールを2週間程度延期させていただいたのでした。ビジネスにおいて、業務が計画通りにいかないことは、よくあることです。本来的には、計画通りにいかないリスクを織り込んだ上で、業務を進めるべきです。しかし残念ながら我々の業務は慢性的な人手不足に陥っており、そのため問題発生時に労働環境に大きなしわ寄せがくる、という状況が発生しています。実際そのしわ寄せは新たな離職者を生み、状況の悪化を招いています。ちなみに私はプロジェクト推進を担う立場ではあるのですが、出向中の身で人事権や裁量権がないという…何だか、書いていて暗い気持ちになりました。
さて、この慢性的な人手不足は、働き方改革におけるいわゆる「あるある」と言えるでしょう。実際には組織的な問題が根本原因ですが、これは労働者である個人よりも、組織のビジネスが優先されているからだと私は考えています。短期的には、体制を早急に拡充し、チームメンバーに適切なケアをしつつ、コスト改善を少しずつ図るしかありません。ただ、本質的には、着実に業務が遂行できるビジネスモデルの再構築が必要で、我々の真の働き方改革はその根本解決の先にあると考えています。
アイドル業界も、同じような状況ではないかと推察しています。長きにわたり、アイドル、スタッフ、そしてそれをとりまくエンターテインメント業界全体が、圧倒的な労働量でビジネスを成立させてきました。ビジネスモデルが変わらないまま、ファンの期待に応え続ける限り、アイドルの働き方改革は実現が難しいでしょう。まずアイドルと彼らを支えるエンターテインメント業界の方々の健全な生活が維持できるビジネスモデルの構築が、アイドルの働き方改革の第一歩と言えます。
アイドルの働き方改革は、まだスタートラインにも立っていない状況と言えるでしょう。しかし、私たちが応援するアイドルを少しでも長く応援できるように、エンターテインメント業界全体でビジネス自体の健全化に取り組んでほしい、と願うばかりです。
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