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今週の『金曜ロードショー』を楽しむための基礎知識⑱

映画『キングダム』山崎賢人の「大声出して突っ込めばすべて解決」演技

映画『キングダム』山崎賢人の「大声出して突っ込めばすべて解決」演技の画像1
金曜ロードショー『キングダム』日本テレビ 公式サイトより

 今週の金曜ロードショーは放送当日7月15日に最新作が公開される映画の第一作『キングダム』を放送。本編は134分もあるのですが、なんと放送枠を45分も拡大して完全ノーカットでの放送です。

 連載16年を超える人気漫画の実写化作品。紀元前古代中国の春秋時代を舞台に貧しい奴隷の身分から、ひとかどの将軍として成り上がろうとする若者と弟に国を奪われた若き王、彼らに導かれ結ばれた者たちが目指す「夢」のために立ち上がる物語だ。

 原作漫画自体が(なにしろ中国の歴史ものなので)壮大なスケールの作品であり、スケールの小ささでは右に出るものがない邦画で実写化なんてできるのか? と疑問でしたよ。

 邦画ではこの手の史劇もの作品の映画化は大昔からあり、『日蓮と蒙古大襲来』(1958)『秦・始皇帝』(1962)といった、モチーフに作品が負けていないケースもあれば、『敦煌』(1989)『天と地と』(1990)などは大量の前売り券をさばいた宣伝の力によって半ば強引にヒットに結び付けたものの、出来も評価もさんざんで『蒼き狼 ~地果て海尽きるまで~』(2007)に至っては150円にまで下がったチケットがショップで大量に叩き売られ、それでも見向きもされないという地獄に陥っていた。

 そんな歴史を目の当たりにしてきた筆者は「せっかくの人気漫画も邦画で成功させるのは無理なのでは?」「中国や韓国で映像化した方がマシじゃない?」と思ったりしたのだが……。

 さて映画の舞台は紀元前245年、中国(当時はまだその国名ではない)の西のはずれ、秦国。孤児の信は奴隷として売られ、同じ身分の少年、漂と出会う。二人は貧しい身分に落とされながらも、長く続く戦乱の世では剣の腕ひとつで天下の大将軍として成り上がることができる、という大望を抱き修行を続けていた。成長した二人の前に秦国の王に使える武将、昌文君(高嶋政宏)が現れ漂(吉沢亮)に仕官の話を持ってくる。信(山崎賢人)も共にと願うも、仕官として採用するのは漂だけだといわれ、「お前もいつか王宮に来い」と言い残し二人は別れる。

 一月後、信の元に深手を負った漂が現れ、地図の元にいるある人物に会えと告げ、「お前と一緒に天下を取りたかった」と言い残し事切れる。地図が示す場所に居たのは漂と瓜二つの秦王・嬴政(吉沢亮・二役)だった。王は弟の成蟜(本郷奏多)の裏切りにあい王位の座を奪われ、漂は王の影武者として命を落としたのだった。

 配下であった漂が命を落としたことに涙のひとつも流さない秦王に激昂する信は「共に天下の大将軍になろう」と誓った漂がなぜ、弟に裏切られるような秦王に忠義を誓ったのかわからず、流浪の旅に付き合う中で仇を討とうと企む。だが、再会した昌文君とその配下に、成蟜の手下に追われながらも兵を鼓舞し、自らが犠牲になって兵と秦王を救ったことに、漂は天下の大将軍になったのだと悟り、自分の夢を追いかけるべく秦王の下で成蟜と戦い、天下の大将軍にならんとする。

 物語の舞台が中国ということもあるが、日本だけの撮影ではこのスケールが出せないと判断したのか、中国ロケや向こうに巨大セットをつくって撮影されており、原作の雰囲気を再現することに成功している。

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