ダイアン津田VSとろサー久保田も…「芸人仲直り企画」ブームとおぼんこぼんの奇跡
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おぼんこぼんの二匹目のドジョウを狙う“芸人仲直り企画”たち
津田と久保田の仲違いに手を差し伸べようとしたのは、『ロンハー』が初めてではない。
「この前、『FANY』って番組で仲直りする企画やったんです。小杉(竜一)さんと麒麟の川島(明)さんがMCで、僕とあいつ(津田)がゲスト。川島さんに『仲悪いんやろ?』って言われたから、僕は“プロレス”でワーッとしゃべったらバッとウケたんですよ。でも、あいつ何も言わへんのですよ」(久保田)
久保田の言い分は置いといて、注目は『ロンハー』より先に別の番組が同じ企画を行っていた事実だ。
『水曜日のダウンタウン』(TBS系)における、おぼんこぼんの仲直り企画はひとつの究極だった。今年3月に彼らが上梓した自伝『東京漫才』(飛鳥新社)では、こぼんが国の指定難病「全身性アミロイドーシス」を3年前から患い、余命10年の宣告を受けていたことが明かされた。だから、余計にコンビ仲が修復されてよかったと思ったのだ。
『ロンハー』は、一昨年に狩野英孝と村上健志(フルーツポンチ)を取り持つ仲裁企画を行い、反響を呼んだ成功体験がある。2016年には、『にけつッ!!』(日本テレビ系)も田中卓志(アンガールズ)VS中岡創一(ロッチ)の公開仲裁放送を行った。
役者界隈やミュージシャン界隈のトピックだと洒落になりにくいが、芸人間の仲違いは笑い話になりがちである。ヒコロヒーは「キンタロー。と紺野ぶるまは信じられないほど仲が悪い」とネタにしていた。昨日、永野とお見送り芸人しんいちの共演を告知した『マルコポロリ!』(関西テレビ)の放送は、好事家から注目を集めている。
ただ、洒落にできる程度の和解企画だと、結局はなあなあに収束する物足りなさも感じてしまう。おぼんこぼんの仲直り企画は、普遍的な“漫才コンビ問題”や娘同士の亀裂も含む、壮大な人間ドラマだった。狩野VS村上の対峙にしても、根底には互いの譲れない感情があった。
今回の「津田 VS 久保田」は、平静を装っているものの収録中に大量の汗をかいていた久保田の様子から、“ビジネス不仲”ではなかったことが推測できる。そして、最終的には津田と久保田が歩み寄り、両者は仲直りをした。中堅芸人のテレビ対応として、その形に落ち着いたように見えたのだ。彼らの仲違いは、洒落にできるレベルだったということ。逆説的に、この程度の溝だからこそバラエティに昇華できたとも言えるのだが。
特におぼんこぼん以降、芸人の和解企画で二匹目のドジョウを狙う番組が増えた気がする。でも、やるならなあなあで終わらせず、ガチンコでいかないと意味がない。芸人同士の不仲にイッチョカミしても、それは視聴者にすぐに見透かされる。最初から茶番を狙った、『さんまのお笑い向上委員会』(フジテレビ系)の「お見送り芸人しんいち VS ZAZY」のほうがよっぽど潔い。何しろ、我々はおぼんこぼんの奇跡を見てしまったのだから。
現在の“仲違い”の代表的な例を挙げると、「藤本敏史 VS バッファロー吾郎A」がお馴染みだし、最近は「竹若元博 VS バッファロー吾郎A」間の亀裂も囁かれている。あと、「千原せいじ VS なだぎ武」の共演NGも有名だ。
どういう人選で各番組の「仲直り企画」が後に続くかは不明だが、この手の“仲裁もの”はバックナンバーが増えただけに、ハードルが高くなった事実を踏まえる必要があるように思う。仲違いし合う当人たちにテレビ対応させず、バッドエンドも厭わず、人間の抜き身の感情に迫る。今までの成功例は、それらのハードルを超えてきていたと思うのだ。
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