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「世界で最も銃器入手が難しい国・日本」の実情 入手経路はオークションサイト

「世界で最も銃器入手が難しい国・日本」の実情 入手経路はオークションサイトの画像1
写真/Getty Imagesより

 7月8日、安倍晋三元首相が銃撃を受けて死亡するという事件が発生した。“世界で最も銃器を入手するのが難しい国”と言われる日本で、元首相が銃撃され死亡した事件は社会的に大きな反響を呼んだ。そこで、日本における違法銃器の状況をまとめた。

 警察庁の「日本の銃器情勢(令和3年版)」juukizyousei.pdfnpa.go.jp)によると、21年の銃器発砲事件発生数はわずか10件(前年比7件減)にとどまっている。

 それも、このうち暴力団等によるとみられるものが8件(同6件減)で、六代目山口組と神戸山口組との対立抗争に起因するとみられるものが1件発生していた。銃器発砲事件による死傷者数は5人(死者1人、負傷者4人)で、このうち暴力団構成員等は3人(死者0人、負傷者3人)だった。(表1)

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 国内における発砲事件のほとんどは、暴力団によるものであり、その事件内容のほとんどは抗争事件によるものだ。

 安倍元首相の事件の第一報を聞いた時に筆者がすぐに思い浮かべたのは、一般人が銃器を入手するのは非常に困難なことを考えれば、犯人は反社会的勢力の関係者ではないか、ということだった。

 ところが、日本の銃器情勢によると21年の拳銃の押収丁数は295丁(前年比60丁減)で、このうち暴力団の管理と認められる拳銃は31丁(同23丁減)でしかない。264丁もの拳銃が暴力団の管理以外のその他・不明として押収されているのだ。

 つまり、毎年70%以上、21年は89.5%が暴力団の管理以外のところで押収されていることになる。その他・不明がどのような状況なのかは定かではないが直接、暴力団と関係ないところで90%近い拳銃が押収されたことになる。

 さらに、21年にはインターネットのオークションサイトや掲示板等を端緒として押収した拳銃の押収丁数は、36丁(前年比5丁減)にものぼっている。19年には54丁もの拳銃がインターネット関連で押収されている。(表2)

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 暴力団以外に拳銃が出回っている姿は、拳銃および拳銃部品所持違反での検挙件数・人員にも表れている。

 21年の検挙件数は90件(前年比26件減)で、検挙人員は78人(同49人減)だが、このうち暴力団員は29人(同29人減)と37%にしか過ぎない。一般人とまでは言わないが暴力団員以外に拳銃が出回っていることを表している。

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 ただ、安倍元首相の事件の第一報では、凶器を「散弾銃」あるいは「散弾銃のようなもの」と報道したところが多かった。それが、「改造拳銃」に変わり、そして「手製の拳銃」と変化していった。

 国内で一般人が入手可能な銃器としては、狩猟用や競技用に使用されるライフル銃や散弾銃になり、犯行に使われた銃器が発砲音などから散弾銃と勘違いされたものと思われる。

 それが、散弾銃のような大きなものではなく、拳銃サイズのものだと分かったことで、今度は改造銃という報道になったのだろう。

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