「水ダウ」おぼんこぼん仲直りが放送文化基金最優秀賞!「名企画が生まれる瞬間」
#深田憲作 #企画倉庫 #アレのどこが面白いの?~企画倉庫管理人のエンタメ自由研究~
番組の顔企画も、最初はただの1コーナーだった…
私がかつて担当した番組だと『シルシルミシル』(テレビ朝日系)もそうでした。番組を覚えてらっしゃる方のイメージは「工場見学の番組」「1つの企業をテーマに見ていく番組」ではないでしょうか? 実はあの番組は開始当初“1つのテーマを掘り下げていく”という内容ではあったものの、「パン」など、わりとざっくりしたテーマでやっていました。それがやがて企業をテーマにするのがメインになり、それがやがてモノ作りを紹介するのがメインになっていき、視聴率がどんどん上がっていきました。
もう1つ担当番組を例に出すと『得する人損する人』(日本テレビ系)です。この番組のイメージは「家事」でしょう。「家事えもん」をはじめとした、家事にまつわる様々な人気キャラクターを輩出しました。この番組も、最初は家事に特化した番組ではなかったのですが、ある時、家事に詳しい芸人の松橋周太呂さんで企画を行ったのが好評で、家事に特化した番組になっていきました。
繰り返しになりますが、名企画とは一発目から発現するのではなく、別の企画の中に芽生えた小さな種を発見し、育てることで、それが大きな木になり、大輪の花を咲かせることが多いのです。
読者の中にも「どうすればいい企画を考えられるのか?」と日々頭を悩ませている方もいると思いますが、企画を生むための要素はいくつかあります。
企画力とは何かと問われると「発想力」と答える方が多いでしょう。
しかし、企画を考えるためには知識がないと何も考えられませんから「引き出し力」も必要です。考えた企画をヒットさせるためには「構成力」「ブラッシュアップ力」なども必要でしょう。「企画力」とは多くの要素から成り立っているものだと思います。
そして今回、私が思ったのは「種の発見力」の重要性です。「これはいい企画だ!」と思って、いざ実行に移してみたらイマイチだった。企画とはそんなことの連続です。その中に、将来、大きな花を咲かせそうな小さな小さな企画の種を見つけられるかどうかが、企画者として大きな分かれ目になるのだと思います。
では「種の発見力」とはどういうものか? どうすれば鍛えられるのか?それは今の私には解明できていません。ヒット企画を生み出してきた人に、ヒットが生まれた瞬間の気づきを聞いてみると、「種の発見力」が紐解けるような気がします。今後、研究していきたいテーマです。それでは今日はこのへんで。
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