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プロレスラー伊藤麻希が語る“赤”へのこだわり「私は主役になりたかった」

常にファンが求める伊藤麻希でありたい

プロレスラー伊藤麻希が語る、赤へのこだわり「私は主役になりたかった」の画像6

――そこから2016年にはプロレスラーとしてプロデビューを果たしました。アイドルからプロレスをやろうと思ったきっかけは何だったのでしょうか?

伊藤 もともとバラエティー番組とかでプロレスができたら面白いなと思っていて、言い方は悪いですけど芸の肥やしでできたらいいなっていう軽い気持ちで始めたんですよ。あと、高木三四郎から「伊藤はプロレスラー向きだ」と言われ続けていたからやってみるかと。実際に自分が向いているなと思ったのが一度ゲスト参戦したときで、ファンのリアクションが良かったんですよ。両国国技館で行われたんですけど、あんな大きい会場で伊藤コールが出たんですね。アイドル時代にもほとんどコールなんてもらえなかったのに、プロレスではこんなにもらえるんだって思ったらうれしくて。

――アイドルからプロレスに転身するとなると、とても勇気のいることだと思うんです。それを決断できたのはなぜですか?

伊藤 当時はアイドル兼プロレスラーとして活動していく予定だったんですよ。プロレスを始めたときにはアイドルはまだクビになってなかったから別に何も怖いとは思ってなかったんです。でも軌道に乗り始めたあたりで急にクビになっちゃったから、そこでプロレスラーとして認めさせてやろうとケツに火がつきましたね。

――今でこそアイドルの方がプロレスをやる敷居はそう高くないと思うのですが、伊藤さんのプロデビューした2016年の頃ってまだ偏見があったのでは?

伊藤 あったと思います。でも私はマジで気にしない性格なんですよ。それよりも「伊藤麻希ってプロレス向いてんじゃん」みたいなポジティブな声ばかり気にしていましたね。「プロレスなめんな」みたいな人も多分いたと思うんですけど、ちょっと忘れましたね……(笑)。

プロレスラー伊藤麻希が語る、赤へのこだわり「私は主役になりたかった」の画像7

――伊藤さんは海外のリングにも上がっていますが、海外ファンの反応はいかがですか?

伊藤 AEW(オール・エリート・レスリング)に出場したときはめちゃめちゃ叩かれましたよ。「伊藤麻希はゴミだ」とか、「もうプロレスやめろ」とか、英語でメッセージがかなり来ました。あれはさすがにへこみましたよ……。でもそれ以上にファンがたくさん増えて、リターンも多かったのでやっていけました。

――そんな中、モチベーションを保てているのはなぜでしょう?

伊藤 やっぱりファンの存在ですね。常にファンの理想を崩したくないっていうのが一番にあります。だから試合中とかも、ファンを裏切るダサい真似だけはしたくない。これだけキャリアを積んでいたら手の抜き方とかも覚えると思うんですよ。でもそこって絶対にファンからは見透かされてしまうんです。私はファンを失望させたくないので、常にファンが求める伊藤麻希でありたいと思っています。

――日本と海外のどちらも経験されていますが、観客の反応は違いますか?

伊藤 まったく違いますよ! 日本はまだ会場によっては声出しNGなんですけど、海外はもうどんだけ出してもいいんです。それもあって海外の方が活気に溢れていますね。あと海外のファンは自分のパフォーマンスに対して素直に反応してくれます。良い意味でも悪い意味でもパフォーマンスが良ければみんな楽しんでくれるし、面白くなかったら全然ノッてくれないのが海外です。

――日本と海外だとどちらが自分に合っていると思いますか?

伊藤 日本のほうがやりやすさは感じます。というのも、日本では平等に応援されている感じがあるので、いつも平常心でやれるんですよ。でも海外だとファンのリアクションも激しいし大きいのでファンの声援に気持ちが持っていかれることがあります。気持ちがブレずにやれるのが日本。ファンの声援が後押しとなって自分以上のものを出せるところは海外ですね。安定したパフォーマンスを出せるという意味では日本が合っているんじゃないかなと。

――日本では100%が限界だけど、海外では120%のパフォーマンスを出せる可能性もあるといった感じでしょうか。

伊藤 そう! そういう意味では海外はギャンブルの要素がありますよね。でもポートレートとかの売り上げは海外の方がいいんですよ。だから経済的な部分を考えると、海外の方が私は美味しいご飯を食べられるかな(笑)。

――伊藤さんはSNSで頻繁に英語で発信されていますよね。今後はより海外で勝負していきたいという思いがあるのでしょうか?

伊藤 ありますね。日本ではちょっと、ほんとにちょっとだけど「やり尽くしたな」って思っている部分もあって、その次は海外を目指したいと思っているので英語でつぶやくようにはしています。とはいえ、海外に住むとなると生活面が心配なので勇気がなくて。最近、携帯をアメリカでなくしちゃったんです。私バカだから携帯の中にクレジットカードも入れちゃってて、本当に死ぬかと思ったんですよ! テキサスの端っこで「どうしよ……」って。日本でもよく物を失くすので、ちょっとまだ海外で暮らすのは難しいなと(笑)。しばらくは日本を拠点に活動しつつ、いけそうだなって思ったら海外に拠点を移せばいいし、やっぱ違うなって思ったら日本で頑張ればいいしって感じですかね。

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――7月9日の試合ではアレックス・ウィンザーと対決します。5度目の防衛戦となりますが、意気込みをお願いできますか。

伊藤 アレックス・ウィンザーはイギリスの選手なんですけど、本当に強いんですよ。今回ばかりはぶっちゃけ自信がないんです……。でも私はチャンピオンやし、今まで歩んできたものを簡単に崩したくないので粘っていきますよ。こんなに気弱なチャンピオンは私の理想じゃなかったんですけど、今回ばかりはこの記事を読んでいるみなさんに伊藤麻希のことを純粋に応援してほしい! この大会は声出し解禁なので、声援に頼りたい。それに、伊藤はやられればやられるほどリミッターが外れて、自分でも知らなかった強さが出るから、自分のそういう力に期待したいです。

ーー伊藤さんが弱気な発言をするのは珍しいですね。

伊藤 初めて言ったかもしれないです。でも、今回もし勝つことができれば……いや、勝つよ! うん、勝ったら最多防衛になるんですよ。私はインターナショナルのベルト=伊藤麻希にしたいという思いもあるので頑張りたいです。

(取材・文=川崎 龍也/写真=石田寛)

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\東京女子プロレス夏のビッグマッチ開催!/
『SUMMER SUN PRINCESS ’22』
2022年7月9日(土) 開場13:00 開始14:00
東京・大田区総合体育館

◆詳細は公式サイトで https://www.ddtpro.com/schedules/17808

◆今大会は動画配信サービス『WRESTLE UNIVERSE』で独占生中継! https://www.wrestle-universe.com/ja/lives/oYAcsmfvzn3wVyeziYy1fP

選手達の熱い戦いをお見逃しなく!

川崎 龍也(アイドルライター)

2019年よりフリーライターとして活動しつつ、現在は都内にあるWEBメディアでも勤務。主にアイドルのコラムやインタビュー記事を書いています。noteでは毎週アイドルの楽曲レビューを更新中です。

Twitter:@ryuya_s04

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かわさきりゅうや

最終更新:2022/07/09 09:20
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