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日刊サイゾー トップ > エンタメ  > 『CDTV』に『Mステ』が“負けた”理由

『CDTVライブ!ライブ!』が『Mステ』超え!? 音楽番組の現在地と、『Mステ』の“敗因”

“ジャニーズ縛り”のない音楽番組が求められている?

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「テレ朝は、ジャニーズJr.が出演する毎夏恒例のイベント『SUMMER STATION』を主催したり、『Mステ』とジャニーズJr.のコラボDVDを制作したりと、がっつりジャニーズ事務所と組んで稼いでいることもあって、『Mステ』ではジャニーズと競合となるボーイズグループは軒並み排除されてしまう。『CITRUS』が日本人男性ダンス&ボーカルグループでは史上初のストリーミング累計1億回再生を記録したDa-iCEなどもいまだに出演できておらず、エイベックス側は熱心に売り込んでいるようだが、テレ朝上層部がジャニーズ事務所に気を遣って首を縦に振らないのが障壁になっているという話。

 そうした中で『ライブ!ライブ!』は、こうしたボーイズグループが活躍できる数少ないゴールデン帯の音楽番組となっている。JO1、INI、BE:FIRSTなど勢いのあるグループは増える一方で、自然と『ライブ!ライブ!』のほうをチェックするという若い層が増えているのでは。ジャニーズ絡みの部分を除くと、両者で出演者の顔ぶれにさほど違いはないですから。まぁ、それはそれで問題なのだが……」(前出・芸能事務所関係者)

 こうした“ジャニーズ縛り”のある番組作りが続いていることに『ミュージックステーション』内部でも“異変”が起こっているという話も……。

「『Mステ』スタッフ、特に若いスタッフのモチベーションは下がる一方だと聞く。司会のタモリさんはこの8月に喜寿を迎えるが、いずれタモリさんが降板となれば、『関ジャム∞完全燃SHOW』進行の関ジャニ∞・村上信五か、元ジャニーズの中居正広あたりを司会に据えて、よりジャニーズ色の強い音楽番組にリニューアルされるのでは、と揶揄されるほど」(同上)

 まだまだ視聴率面では『ミュージックステーション』のほうに分があるようだが、今後こちらも勝負がついていくのだろうか。

「ポイントとなるのは、YouTubeでのコンテンツ化や見逃し配信に対応していけるかどうか。権利処理の問題もあって日本の音楽番組はとにかく後ろ向きでしたが、『プレミアMelodiX!』(テレビ東京系)がTVerで、NHKの音楽番組がNHKプラスで見逃し配信されていることからもわかるとおり、別に不可能なことではない。『ライブ!ライブ!』は、K-POP系を中心にNiziUなどもパフォーマンス映像をYouTubeに上げているが、これはアーティスト公式チャンネルでの展開で、番組側のメリットは少ない。一方、『Mステ』は昨年9月からLDHのアーティストのパフォーマンス映像を『Mステ』公式YouTubeチャンネルにアップする動きを見せている。YouTubeを通して番組名を知ってもらえば、動画にないトーク部分などを見るために番組自体を見てもらうことも期待できます。実際、話題のパフォーマンスなどはSNSなどで違法動画がかなりの再生数を稼いでいるし、配信まわりの対応がもっと進めば、音楽番組が生き残っていく道はまだまだ増えると思いますけどね。この部分に先に着手できたほうが“勝者”となるかもしれませんよ」(前出・テレビ誌記者)

 “ストリーミング1億回超え”や“TikTokで話題”のアーティストが音楽番組に出演する例は珍しくなくなってきたが、音楽番組そのものが時代の流れに沿ってアップデートしていけるのか。今後が注目だ。

加賀美ジョン(音楽ライター)

洋邦問わず、音楽にまつわる編集・ライティングで十数年。クレジットを眺めるのが趣味。

かがみじょん

最終更新:2023/03/14 14:11
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