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TVerドラマ人気ランキング

『やんごとなき一族』独走、『オールドルーキー』は…? TVerドラマ人気ランキング

『やんごとなき一族』独走、『オールドルーキー』は…?
FOD配信ページより

 在京民放キー局5社を中心として2015年10月に始まったTVer。参加局、取り扱う番組も増え、昨年10月には月間動画再生数が初めて2億回を超えるなど、もはや定番のサービスとなった。今や「見逃し配信」は当たり前となったが、やはりTVerではドラマが圧倒的に見られており、ドラマの見逃し配信需要がこのサービスを牽引していると言えるだろう。

 しかしTVerにおける再生回数は基本的に非公表で、期ごとの番組再生数ランキングなどで一部が明らかになるか、あるいは新記録を打ち立てた時などに番組側が発表する程度。そのため、視聴率をもって番組が語られてしまう状況が長らく続いている。

 そこで、TVerの総合ランキングを定点観測することで、視聴率とは違ったドラマ人気をある程度は可視化できるのではないか、と考えたのが本企画だ。総合ランキングでの順位に対しポイントを付け、合計した結果から日刊サイゾー独自の「TVerドラマ人気ランキング」をご用意した。今週は6月25日(土)~7月1日(金)までを観測した結果(1日2回、決まった時間に観測)をお伝えする。

やはりTVerはドラマが強い

 今回の結果は以下のとおり。

『やんごとなき一族』独走、『オールドルーキー』は…? TVerドラマ人気ランキングの画像2

 今回は先週に続き、さらに各局民放ドラマが最終回を迎え、作品数もかなり減っている期の合間ということで、トップ5にまでランキングを絞った。

 GP帯の新作ドラマが(ほぼ)放送されていない期間のTVer総合ランキングを見ていて改めて感じたのは、やはりTVerというサービスはドラマ視聴が牽引しているということ。これまで総合ランキングでは低位置についていたドラマも、今のこの期間は上位に浮上しやすくなっている。これまでTVer総合ランキングでは一度も1位を取れていなかった【*】日テレの『パンドラの果実~科学犯罪捜査ファイル~』ですら、この週はついに1位を取ることができたぐらいだ(最終話ということも影響したかもしれないが)。並みいるバラエティ番組を押しのけてドラマが上位に来るのが、TVer総合ランキングなのだ。ちなみにその傾向によるものか、この期間は再配信の旧作もちょくちょくTVer総合ランキング入りを果たしており、この週は、映画版が公開中のフジ月9『シャーロック』をよく見かけた。

※……これは確認するタイミングによると思われるため、「実際に総合1位を取っていない」ことを確認することは難しく、正確性を保証するものではないことをご了承いただきたい

 さて今回の人気ランキングだが、やはりというべきか、『やんごとなき一族』が首位をキープ。前述のドラマが上位に来やすい傾向もあって一度もTVer総合ランキングのトップ10から落ちることがなかったため、ポイントも前週比70ポイントアップという独走状態だ。また、オリコンによるドラマ満足度ランキングでふたたび1位を取り戻した(6月14日~20日対象)『ナンバMG5』も2位をキープしている。

 上昇という意味では興味深かったのが、20日に最終回を迎えたフジテレビ系月10『恋なんて、本気でやってどうするの?』。すでに最終回を迎えたため、TVer総合ランキングでも順位を下げていく一方だったが、月曜深夜から一時的に急上昇し、トップ10に入りそうな勢いを見せた。最終回を見逃した人の駆け込み需要だったのだろうか。もともと、見逃し配信の期限が(基本的に1週間と)定められていることもあり、次のエピソードの放送日の直前にはTVer総合ランキングでの順位は上がる傾向にある。だが、『恋マジ』のこの最終回については、前日まで20位以下だったにもかかわらず、急に総合11位まで上昇しており、ここまで急浮上する例は珍しい。この「日刊サイゾー」に寄稿した、「記憶に残るトンデモ最終回」と書いた記事は想定以上にPVがあったようだが、あまりに支離滅裂な最終回の評判(?)を聞きつけた人がどんなものかと再生ボタンを押したのかもしれない。

 実はTBS火曜ドラマ『持続可能な恋ですか?~父と娘の結婚行進曲~』も最終回はひどいもので、一部では『恋マジ』とどちらがひどいかという議論(?)にもなっていたが、『恋マジ』に隠れてあまり話題にならなかったのか、こちらは特に浮上することもなく配信を終了していた。

 6月26日から前倒しで放送が始まったTBS日曜劇場『オールドルーキー』は、新作ということもありTVer総合ランキング1位を複数回取っており、まずまずの好スタート。この勢いを保っていけるのか注目だ。個人的な印象は、手堅い作りではあるが、ここからどう展開をつけていくのかが気になる、といったところ。主人公が元プロアスリートの経験と、ひたすらポジティブで明るいキャラクターでスポーツマネジメントの仕事を次々とこなしていくだけの作品になるのか、もうひとつ別の展開が待ち構えているかで、作品の評価が分かれていきそうな気がしている。

新城優征(ライター)

ドラマ・映画好きの男性ライター。俳優インタビュー、Netflix配信の海外ドラマの取材経験などもあり。

しんじょうゆうせい

最終更新:2022/07/02 19:00
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