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BPO「痛みを伴う笑い」制限で中堅芸人が追い詰められる現状

バラエティ番組のお笑いは画一的になっていく?

 少し脱線してしまったが、中堅~ベテラン芸人が苦しむ理由は考えながらお笑いをしなければいけないからだ。今までなら「こう来たらこう返す」みたいな決まりごとがあったとしても、これからは「あれ? こう返したら炎上するかな?」など余計なことを考えながらお笑いをしなければならない。

 こうなると間もへったくれもなくり、笑いが起きない。芸人にとって死活問題だ。だからと言って「炎上しても良いからやってしまえ!」なんてことは出来ない。何故なら世間の人が法令遵守を期待しており、笑いを起こすよりもコンプライアンスを守る方がヒエラルキー的に上だからだ。さらに炎上なんてしようものなら、テレビに出られなくなり喰いっぱぐれてしまうかもしれない。今の芸人としての地位を守るためには、そんな博打は打てないのだ。そのジレンマにより鬱状態になってしまうのだろう。

 今あるコンプライアンスがなくなることは恐らくないだろう。となると今後コンプライアンスに反比例する形で「痛い」「臭い」「熱い」「辛い」「不味い」などを使ったものが、順番に減っていく可能性がある。そうなると芸人みんなが同じような芸風になり、同じようなネタをすることになる。視聴者が取捨選択するサブスクの時代に、芸人が取捨選択できないような時代でいいのだろうか。

 テレビはまだまだ面白い。だからテレビがつまらなくなる前に青少年たちに告ぐ――。

「芸人の真似する前に、勉強しろ。そしてテレビ局へ勤めてテレビを面白くしてください。頼むよ」

檜山 豊(元お笑いコンビ・ホームチーム)

1996年お笑いコンビ「ホーム・チーム」を結成。NHK『爆笑オンエアバトル』には、ゴールドバトラーに認定された。 また、役者として『人にやさしく』(フジテレビ系)や映画『雨あがる』などに出演。2010年にコンビを解散しその後、 演劇集団「チームギンクラ」を結成。現在は舞台の脚本や番組の企画などのほか、お笑い芸人のネタ見せなども行っている。 また、企業向けセミナーで講師なども務めている。

Twitter:@@hiyama_yutaka

【劇団チーム・ギンクラ】

ひやまゆたか

最終更新:2022/07/02 11:30
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