IPPON女子グランプリ「女性は大喜利が苦手なのか」 “実験台”に乗せられたのは誰か?
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テレビウォッチャーの飲用てれびさんが、先週(6月19~25日)に見たテレビの気になる発言をピックアップします。
松本人志「これちょっとまた、エラいことになりましたね」
ダウンタウンの松本人志が実験的な企画をお送りする『まっちゃんねる』(フジテレビ系)。これまで同番組は、Amazonプライム『ドキュメンタル』の女性タレント版「女子メンタル」や、男性俳優・タレント版の「イケメンタル」など、記憶に残るコンテンツを放送してきた。「女子メンタル」で峯岸みなみとゆきぽよがダンスで応戦しあうところは、個人的にその年のテレビで一番笑った瞬間だったと思う。
その第3弾が25日に放送された。今回の企画は「IPPON女子グランプリ」。フジテレビ系列で定期的に放送されている『IPPONグランプリ』の出場者を、女性だけに絞ってみるとどうなるかを“実験”する企画だ。オープニングで松本は言う。
「第1弾、第2弾も非常に好評やったんですが、今回またガラリとですね、実験はするんですが、いままでとはまったく違う実験を試みました。これちょっとまた、エラいことになりましたね。これはぜひホントに、見てほしいな」
前半は、女性芸人のみでの戦いだ。出場者は、福田麻貴(3時のヒロイン)、イワクラ(蛙亭)、加納(Aマッソ)、箕輪はるか(ハリセンボン)の4人である。いずれも賞レースで優勝したり決勝進出したりなど結果を残し、バラエティ番組での活躍機会も多い面々だ。箕輪は過去に『IPPONグランプリ』本編にも出場経験がある。
序盤で苦戦するものの、後半でIPPONを連発し、かつて大喜利イベントで西日本新人王になったこともある実力を示したイワクラ。自身の考える面白い回答と場が求める面白い回答を調整しながら、前者を最後まで手放さないスタンスを見せたように思う加納。そんな加納と対立構図をつくったり、スベった回答も笑いにするリアクションを見せたりなど、テレビバラエティでの大喜利に安定感のあった福田。それぞれが自身の戦い方で画面に印象を刻んだが、最終的に優勝したのは、多彩な回答で実力の高さを見せた箕輪だった。改めて、彼女は本編の常連になっていてもいいはずだと感じた。
後半は、女性タレントの戦いである。出場者は滝沢カレン、神田愛花、渋谷凪咲(NMB48)、王林だ。バラエティ番組でその大喜利力を発揮する機会が多い渋谷。大喜利だけをやるYouTubeチャンネルを開設し、『IPPONグランプリ』放送中に同じお題に答える生配信をしたこともある滝沢。放送前には、この2人を中心とした戦いになるかと思われた。が、神田と王林が場をかき乱し、予想以上の混戦と面白さを生んだ。
王林は、天然に見せつつ回答に技工が見え隠れした。渋谷は、各お題でスピード回答を見せ“最適解”を叩き出し続けた。対して神田は、ぶっ飛んだ回答で今回の企画の“裏・最適解”を出していたように思う。そんな神田のペースに飲み込まれず、滝沢は淡々と自身のペースで回答を出し続けていた。優勝したのは滝沢だったが、こちらも各人が持ち味を見せつけた。
滝沢は、特に箕輪との最終決戦に入ると大喜利の回答以外ではいつものような不規則発言があまり聞かれなくなり、そこに彼女の芸人への“リスペクト”というか、芸人の領域に自身が踏み込んでいることへの“申し訳なさ”のようなものを感じたのも印象的だ。
個人的には、王林の回答が忘れられない。「コンパで横の席になったケンタウロスを褒めてあげてください」というお題での「下のほうにも乳首があるのですね」「終電逃しても大丈夫ですね」「何頭身ですか」。別室で審査する面々も指摘していたけれど、「画が浮かぶ」ような回答のリアリティ。たぶん彼女はケンタウロスとコンパをしたことがあるのだと思う。
今回も面白かった『まっちゃんねる』。なお、「大喜利のルールがわかっていない」と審査員から指摘されていた神田愛花は、『まっちゃんねる』の前日、24日の『人志松本の酒のツマミになる話』(フジテレビ系)で「もしもウルトラマンのように巨大化したら何をしたいか」と問われて次のように返していた。
「母に会いに行って『こんなに大きくなったよ』って」
たぶん、これが神田の一番大喜利らしい大喜利の答えだと思う。(次ページ→「はたして女性は大喜利が苦手なのか」で問われているもの)
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