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日刊サイゾー トップ > 連載・コラム  > バカリズム、川島、大悟の解説
アレのどこが面白いの?~企画倉庫管理人のエンタメ自由研究~

千鳥・大悟、麒麟・川島、バカリズムの解説が盛り上げた「IPPON女子グランプリ」

「IPPON女子グランプリ」バカリズム、麒麟・川島、千鳥・大悟の解説が盛り上げるの画像1
フジテレビ「まっちゃんねる」公式サイトより

 放送作家の深田憲作です。

「企画倉庫」というサイトを運営している私が「あの企画はどこが面白いのか?」を分析し、「面白さの正体」を突き止めるための勉強の場としてこの連載をやらせてもらっています。

 今回のテーマは「まっちゃんねるのIPPON女子グランプリ」です。

「まっちゃんねる」とは、ダウンタウンの松本人志さんがMCを務め、「実験的お笑い番組」と銘打って様々な企画を行っているフジテレビの定期特番。今回の放送で3回目なのですが、以前はAmazonプライムのコンテンツである「ドキュメンタル」の女性版やイケメン版をやって、峯岸みなみさんや山田孝之さんの面白さが話題になりました。

 今回は、同じフジテレビで定期特番として行っている「IPPONグランプリ」を女性芸能人でやってみる、という企画。音楽風に言うならば「カバー」です。

「あの企画をこの人でやってみたらどうなるのか?」という考えは、バラエティ番組でもたまにある発想なのですが、それが実現されることはそう多くはありません。実現されるとしたらそれは「パロディ」であることが多く、今回のような「カバー」で実施されることは滅多にありません。想像に難くないと思いますが、カバーの元となる本家への仁義のようなものもありますし、カバーをされて面白くなかったら本家も損をしてしまう可能性がありますし、バラエティの企画には音楽ほど明確な権利があるわけではないのでお金で解決というのも難しいでしょう。

 この「まっちゃんねる」のように、“本家側”と“カバーをやる側”の両者のMCが同じ人でないと難しい問題が多数あるのだと思います(いや、MCが同じだとしも色々な問題を乗り越えて放送されているのだと思いますが)。

「ドキュメンタル」や「IPPONグランプリ」のような大型コンテンツ、しかも現在も放送・配信され続けているコンテンツで、カバーが実現されたのはテレビの歴史を振り返っても稀なケースです。

 そして、私がこのカバー企画の大きなポイントだと思ったのは「実験的お笑い番組」と銘打っているところです。本記事ではテレビ制作でもよく使用される「ハードル問題」について述べていきます。

 テレビやお笑いの世界ではよく「ハードルを下げる」といった言葉が使われます。この言葉は一般社会でも使われるので読者の方も意味はお判りでしょう。「この番組、面白いですよ!」「この芸人、マジで面白いから!」とハードルを上げられて見た時に、そのハードルを下回っていたら「つまらない」という評価を下されてしまいます。

 その意味で言うと、この「IPPON女子グランプリ」を本家のIPPONグランプリの女性大会として大々的にやるのは難しい気がします。それでやった場合に「女子で大喜利やっても面白くないな」と視聴者に思われてしまう可能性があるからです。

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