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『ポップUP』スタートからまもなく1クール、大苦戦も…見えてきた“本当の狙い”

『ポップUP』スタートからまもなく1クール、大苦戦も…見えてきた本当の狙いの画像1
『ポップUP』(フジテレビ系)

 今春に終了した『バイキングMORE』の後番組として始まった、フジテレビ系の昼の帯番組『ポップUP』が苦戦続きだ。

 坂上忍が名物司会を務めた前番組『バイキング』から一転、『ポップUP』は曜日ごとにパーソナリティが代わり、小泉孝太郎、三浦翔平、おぎやはぎ、高嶋政宏、吉村崇(平成ノブシコブシ)と、バラエティに富んだラインナップを揃えたが、視聴率的には惨敗。早くも打ち切りさえ囁かれるレベルである。

「昼の時間帯は『ヒルナンデス』(日本テレビ系)、『ひるおび』(TBS系)、『ワイド!スクランブル』(テレビ朝日系)が三つ巴の戦いで、『バイキング』はそれを追う形でしたが、それでも3~4%は取っていました。ところが『ポップUP』は初回から3.2%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)と、立ち上がりからつまづき、最近は1%台を連発しています。5月には主婦の不倫がテーマのミニドラマを挿入してテコ入れを図りましたが、これも全く奏功せず、先日にはスタッフのパワハラ報道まであった。浮上する要素が見当たりません」(テレビ情報誌記者)

 フジテレビが『笑っていいとも』で昼の天下を取っていたのも今や昔。『ポップUP』は、日によっては、隠れファンの多いテレビ東京の番組『昼めし旅』よりも数字が悪いというのだから、打ち切り話が浮上するのも仕方ない。ただフジテレビとて、この状況を黙って受け入れているわけではない。民放のバラエティ番組制作関係者は言う。

「番組開始以来、しばらくは独自の“色”が見えなかった『ポップUP』ですが、ゲストを見ると、華原朋美、さとう珠緒、高樹千佳子、川村ひかる、市川由衣、矢部美穂、福田沙紀、CoCoの宮前真樹など、90年代から2000年代にかけて活躍した人ばかり。他局を見ると、『ひるおび』や『ワイド!スクランブル』は視聴者の年齢層が高く、『ヒルナンデス』は若者向けですから、その中間の40代~50代を狙っていることが、ゲストの人選からわかります。

 40代~50代は、本来ならバリバリの仕事モードか、子育て真っ最中ですが、リモートワークが進んで在宅率が上がってお昼にテレビを見るようになりました。さらにその年代は、スマホよりもテレビを見る最後の世代。第二次ベビーブームのど真ん中で、人口的にもボリュームゾーンなので、そこを狙っているのでしょう」(バラエティ番組制作関係者)

 ライバルたちに正面から立ち向かうというよりは、どちらかといえば“隙間”を狙ったしたたかな戦略を図るフジテレビ。現状は厳しいが、キー局関係者はこう語る。

「多くの人が忘れていますが、前番組の『バイキング』はスタート時に惨憺たる数字だったものを、時間をかけて名物番組に育てました。『サンジャポ』の裏番組の『ワイドナショー』も、今でこそ好視聴率番組ですが、スタート時はボロクソに叩かれ、打ち切り説が飛び交っていたもの。

 バラエティ番組ならともかく、視聴習慣によってチャンネルを合わせることが多い帯番組は、一朝一夕では数字は上がりません。最低でも1年は継続させるでしょうし、数字がよくないからこそ実験もできる。言い方は悪いですが、“下手な鉄砲も数撃ちゃ当たる”ですから、今こそいろいろなことに挑戦してみればいいんですよ」(キー局関係者)

 往年のフジの名キャッチコピー、“楽しくなければテレビじゃない”を、今こそ思い出す時かもしれない。

木村之男(芸能記者、TVウォッチャー)

1972年生まれ、東京都出身。大学時代にライターとして活動し始め、出版社~編集プロダクションを経てフリーに。芸能・カルチャー・テレビ・広告業界などに精通する。趣味はテレビに映った場所を探し出して、そこに行くこと。

きむら

最終更新:2022/06/30 08:00
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