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日刊サイゾー トップ > 連載・コラム  > 有吉弘行の食リポは“テレビ的”か?

有吉弘行の規格外すぎる“無言食リポ”はテレビ的か否か?

有吉弘行「あー、うまい」規格外すぎる食リポはテレビ的か否か?の画像1
『有吉クイズ』(テレビ朝日系)Twitter(@AriyoshiQuiz)より。TVerはこちら

 テレビウォッチャーの飲用てれびさんが、先週(6月12~18日)に見たテレビの気になる発言をピックアップします。

■竹内涼真「料理番組として抜きん出てません?」

 14日の『有吉クイズ』(テレビ朝日系)で、有吉弘行が規格外の“食リポ”をしていた。

 同番組ではこれまで、東京の街をあちこち歩く有吉を追うVTRが何度か放送されてきた。有吉はVTR内で「ちょっと入ってみましょうか」などと言って初見の店に入ったりすることもあるのだが、ゴールデンタイムの2時間スペシャルとして放送された今回はその特別版。香川県を訪れ、うどんの有名店をハシゴしていた。

 では、その“食リポ”の何が規格外なのか。有吉はうどんを食べるあいだ、ひと言も発さなかった。無言で黙々とうどんをすすり続ける有吉。響くのはうどんをすする音と、「ふーっ」とか「んーっ」といった有吉の吐息だけ。食べ終わるとひと言、彼は「あー、うまい」と口にした。

 ロケは途中から錦鯉(長谷川雅紀、渡辺隆)の2人も合流した。しかし、長谷川も渡辺も、有吉の気配に気圧されたのか、うどんを食べるあいだやはり沈黙。何もしゃべらずにうどんを口に運び続けるのだった。

 続くVTRでは、山の中でジビエを食べるロケに出た有吉。猟師のジビエ料理を自然に囲まれて食す、本格的なやつだ。有吉は、提供される鹿、猪、熊といった肉の料理を次々と頬張っていく。もちろん、何も話さない。鹿肉を噛みちぎる音、猪肉にしゃぶりつく音、熊肉を飲み込む音。やはり「ふーっ」「んーっ」といった吐息も高感度のマイクが拾う。その他の音といえば、周囲の木の葉っぱが風でこすれる音とか、鳥がさえずる音とか。食リポの「4分33秒」(ジョン・ケージ)という感じ。あるいは、永谷園のお茶漬けのCM。

 うどんロケのVTRを見て、「こんなにも食べるロケであんまり説明しないじゃないですか。でも、そっちのほうがなぜか食べたくなるのはなんでなんですかね」と語っていたゲストの竹内涼真は、ジビエのVTRを見たあとにこう感想をもらしました。

「料理番組として抜きん出てません?」

 確かに、有吉の無言のロケは、うどんの熱さとか鹿肉の歯ごたえとか、そういうのが体感的に伝わってきた気がする。語らない食リポ。何もリポートしていないようで的確にリポートしている食リポ。そこで伝えられているのは“情報”というより“体感”だろうか。一見、“テレビ的”ではないように見えるけれど、動画メディアであるテレビの特性を活かしているという意味では、とても“テレビ的”と言えるのかもしれない。

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