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日刊サイゾー トップ > エンタメ > お笑い  > 松竹、マセキetcの芸人ギャラ事情

吉本、ワタナベエンタ、ホリプロ、マセキ、松竹…お笑い事務所の“ギャラ事情”今昔

ワタナベエンタから感じる異質な怖さは日本の縮図?

「ウチの事務所のココが納得いかない」というテーマで、松竹のヒコロヒーが挙げたのは「バーターの仕事がない」だった。

「『先輩に気に入られたら番組に呼んでもらえんねんから、頑張って仲良くなれ!』って言われて育ってきたんですけど、みんな気付いたんですよ。松竹の先輩で後輩呼べるような番組持ってる人、1人もいないという」(ヒコロヒー)

「そんなことないだろう!」と思いかけたが、よく考えたらそうかもしれない。最も後輩を呼べられそうなよゐこでさえ、冠番組はBSかCSばかりだ。

「よく考えてもらったら、岡田(圭右)さんの『脳ベルSHOW』しかないんですよ」(ヒコロヒー)

 BSフジで放送中の真裏の『ダウンタウンDX』で、『脳ベルSHOW』の話をするあたりが絶妙。だから、クロちゃんは自力で藤井健太郎の番組ばかり出ているし、みなみかわは自力でシオプロの番組(TBS系『水曜日のダウンタウン』など)ばかりに出ているわけだ。

 ワタナベエンターテインメントのAマッソが挙げたのは、「事務所の悪口を言えない」であった。

「アンケートとかこういう番組だと、すごい検閲があるんですよ。ワタナベは基本的に(事務所の悪口を)言えないんです。でも、書きたいんですよ。『事務所のこういうところがどうのこうの』って書いたら、マネージャーから連絡があって『そこに愛はあるんか?』と、愛を聞いてくるんです。基本的に(悪口は)ダメなんで、『いい事務所ですよ』って言うんですけど」(加納)

 確かに、ワタナベは少し異質。シャレが通じなさそうな怖いイメージがあるし、事務所の悪口を言っている所属芸人がワタナベには皆無だ。「中山秀征は~」「恵俊彰は~」というくすぐりが、この事務所では禁忌ということ。

浜田 「なんかあんの、それ? 言ったらなんかされんの?」
加納 「されます」

 推されなくなるのではないか? ワタナベからは、吉本以上に“昭和感”を感じる。ワタナベを見ることは、即ち日本の縮図を見ることである。

「もしダウンタウンが移籍してくれるなら」各事務所がプレゼン、松竹は辞退

 最後のテーマは、「もしもダウンタウンさんが移籍してくれたら」。各事務所がダウンタウンに移籍条件をプレゼンするというコーナーだ。

 マセキが提示した条件は、「コンビで月3億円の給料をお支払いします」であった。松本1.5億、浜田1.5億というわけである。

相田 「上の首脳陣と計算しました。ボケとかじゃないです。今のダウンタウンさんで考えると、レギュラー1本1,000万円はもらってるだろうと」
小宮 「うちには大物、ウッチャンナンチャンさんもいるので、お金の計算は狂いはないと」

 事実、「コンビで3億」を提示されたダウンタウンは2人ともまったく驚いていなかった。ウンナン基準から弾き出された妥当な金額なのだろう。現実問題として、ダウンタウンが一時的にマセキに行くのは面白そう。ダウンタウンとウンナンが揃ったら、もはや業界の覇権を握ったようなものか? 特に、浜田は単独で『プレバト!!』(TBS系)、『オオカミ少年』(TBS系)、『ジャンクSPORTS』(フジテレビ系)、『浜ちゃんが!』(日本テレビ系)、『ごぶごぶ』(毎日放送)、『芸能人格付けチェック』(テレビ朝日系)という冠番組を持つ、超売れっ子である。

 ホリプロコムが提示したのは、「現在の2割増しの給料と会社の代表権を差し上げます」であった。

「リアルな話、コムの社長は宮原(正彦)さんという方なんですけど、5~6年くらい前から定年退職という話になっていて、『誰が次の社長になるか?』という。そこの代表取締役を差し上げます」(淡路)

 給料2割増しに加え、社長になれる。なんとも、スゴい条件だ。まるで、全日本プロレスに移籍した際の武藤敬司のよう。ただ、本気でダウンタウンが欲しているのは、ホリプロコムより本体のホリプロでは? という気がしないでもない。

 最後に、松竹芸能の回答は「辞退する」であった。

「首脳陣が集まって、『どうする?』って話になったんですよ。でも、ダウンタウンさんクラスの芸人を抱えたことがないから、『誰が担当する?』『無理無理』って。『どのくらいのギャラでどういう捌きで現場で……』って悩んで、すみませんが今回は辞退ということで」(ヒコロヒー)

 もともとは松竹に行きたがっていた松本だが、どこまで行っても縁はなかったようだ。

 エンディングで「今、一番行きたいのはセント・フォース」とオチをつけた松本。彼らが吉本を離れる未来は考えにくいが、内村光良が「アミューズに行きたい!」と公言している事実からは少し本気度が感じられ、気になってしまう。

 あと、個人的には、ハリウッドザコシショウ、コウメ太夫、バイきんぐ、アキラ100%、錦鯉が揃った“常勝軍団”SMA(ソニー・ミュージックアーティスツ)の集合写真の中にダウンタウンが混じった光景も、ちょっと見てみたいと思った。

寺西ジャジューカ(芸能・テレビウォッチャー)

1978年生まれ。得意分野は、芸能、音楽、格闘技、(昔の)プロレス系。『証言UWF』(宝島社)に執筆。

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最終更新:2022/06/23 17:35
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