あのちゃんも困惑…4人の筋肉たちによるロケ番組『ぶらり筋道中 マッスル旅行』が前代未聞

「あのちゃんという“負荷”」で筋肉に負荷をかけたい

　楽しかった旅も、いよいよ大詰め。最後は温泉で体を休めるらしい。どうやら、目当ての温泉は長い階段の上にあるようだ。ここで、あのちゃんが音を上げた。

あの　「僕、もう無理かも」
横川　「じゃあ、自分おんぶしますよ」
春日　「ズルいな！」
塚田　「自分だけ、負荷かけて！」

　女子をおんぶして密着するのが「ズルい」のではなく、“負荷”を独り占めしようとする下心に「ズルい！」と物申すマッチョたち。ズルいはズルいでも、そっちの「ズルい」だ。4人は「マッスルじゃんけん」で雌雄を決するらしい。

「ここで、あのちゃんという“負荷”をかけたマッスルにとっては負けられない戦い！」（ナレーション）

　今後、一生聞かないであろう「あのちゃんという“負荷”」なる日本語がレアすぎる。筋肉に負荷をかけたい男たちの決戦だが、華奢なあのちゃんでは大した負荷にならないのでは……。

　そして、ようやく温泉に到着した一行。でも、ただ入るだけじゃない。ちゃんとポージングしてから湯に浸かる。決して、普通に温泉に入りたがらないマッチョたち。筆者は寝転びながらこの番組を見ていたが、次第に筋トレしないといけない気持ちになっていた。

　こんなどうかしている番組は、本当に久々だった。「一体、この番組は何？」と思っていたら、その勢いのまま最後まで釘付けを余儀なくされた脳筋バラエティ。ずっと、夢の中にいるみたいだった。

　近年稀に見るおバカな内容だったが、それでいて少し勉強にもなった。6月9日放送『アメトーーク！』（テレビ朝日系）は「筋肉ついてウレシイ芸人」だったし、密かに筋トレ民の時代なのか？　ちょいちょい入る筋肉豆知識もバカにできず、「これからのバラエティはこういう感じになっていく？」と予感めいたものもあった。

　ぜひ、第2弾の放送もお願いしたい。全国各地を旅しながら、「地球がジム」を実証してほしいのだ。『ぶらり筋道中 マッスル旅行』、くだらなすぎて元気の出る番組だった。

寺西ジャジューカ（芸能・テレビウォッチャー）

1978年生まれ。得意分野は、芸能、音楽、格闘技、（昔の）プロレス系。『証言UWF』（宝島社）に執筆。

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