「水ダウ山田邦子ホントドッキリ」怒涛の再生数! ボロクソ言われるメリット
#水曜日のダウンタウン #深田憲作 #企画倉庫 #アレのどこが面白いの?~企画倉庫管理人のエンタメ自由研究~
放送作家の深田憲作です。
「企画倉庫」というサイトを運営している私が「あの企画はどこが面白いのか?」を分析し、「面白さの正体」を突き止めるための勉強の場としてこの連載をやらせてもらっています。
今回のテーマは「水曜日のダウンタウンのホントドッキリ」です。
先日の放送をご覧になっていない方に説明すると「しんどい先輩芸人からYouTubeでコラボしたいと言われたときの断り方ムズい説」というネタです。
内容は、大先輩の山田邦子さんがYouTubeをやっている若手芸人に「コラボしてくれない?」と言ってきて、裏で1番嫌がった人が実際にYouTubeでコラボしなければいけないというもの。ドッキリでありながら、ドッキリで仕掛けたことを実行することを、この番組では「ホントドッキリ」と名付けています。
『水曜日のダウンタウン』(TBS系)で「ホントドッキリ」が初めて行われたのは、三四郎・小宮さんに仕掛けたのが最初。それは小宮さんに「女性スキャンダルが週刊誌に出てしまう」というドッキリを仕掛け困惑する様子を隠し撮り。そして、ネタバラシを受けて「ドッキリか。よかった~」と安堵していたら、その記事が実際に週刊誌に載る、というもの。
当然ですが、バラエティ制作者であれば「これまでに見たことがない、やったことがない企画」を考えたいという意識を持って仕事に取り組んでいます。しかし一方で、これだけ何十年にも亘ってバラエティの企画がやり尽くされてきている今「全くの新しい企画なんてない」という思いもどこかに持っています。
そんな中でも『水曜日のダウンタウン』は、これまでに見たことがない企画を提供してくれている稀有な番組だと思います。この「ホントドッキリ」でも改めてそれを感じました。
「これまでに見たことがない、やったことがない企画」とは書きましたが、ただ見たことがない企画、ただやったことがない企画に価値があるわけではありません。「見たことがなくて面白い」「やったことがないけど分かりやすい」ことが重要なんです。
地上波のテレビで22時台の番組であれば約1000万人に視聴してもらわなければなりません。そうなると、万人が理解できない複雑なルールや、一部の博識者しか知らないようなニッチなテーマを扱っていては視聴率を獲ることが出来ません。
例えば、YouTubeでは定番の人気企画「人狼ゲーム」を、そのままのルールで22時台のテレビ番組で放送しても視聴率は獲れないでしょう。1000万人がボーっと見ながらでも理解してもらえて、面白いと思ってもらえて、これまでに見たことがない企画を生むというのは至難の業なわけです。
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