韓国からの日本旅行希望者が887%増! その理由は…
#韓国 #インバウンド
「ここ数週間で都市部に人通りが一気に戻ってきました。ノーマスク解禁というターニングポイントもありましたし、韓国ではコロナ禍が本格的に終息していく雰囲気が強くなっています」
そう現地の状況を伝えてくれたのは韓国人記者のC氏だ。日本人観光客に馴染みの深い、ソウル中心部の繫華街も活気を取り戻しつつある。規制により観光客こそまだ本格的に戻ってきていないものの「ついに最悪な状態は脱した」というのが、ソウルの人々の共通した感覚だという。
日常を取り戻しつつある韓国社会では、外食やレジャーなどアウトドア関連の消費も上向きだという。最近では、散々な状況に追い込まれていた旅行業の復活の兆しも報じられている。なかでも大きく取り上げられているのが「日本旅行を申し込む人々が急増中」という話題だ。
日本政府は、6月10日から旅行代理店の添乗員付きパッケージツアー限定など、条件つきで外国人観光客の受け入れを再開することを決定した。これをうけて、韓国の各旅行会社も早速ツアーを企画しているようだ。
大手旅行代理店・ハナツアーによれば、5月30日から6月5日にかけて、先々週比887%も日本旅行の予約者が増えたという。海外旅行の予約者のうち、4人に1人が日本旅行を選択。地域別としては、大阪(31.4%)、北海道(31.2%)、福岡(17.5%)、東京(16.3%)の順で人気が高いという。なお、黄色い風船という旅行代理店の日本旅行パッケージ商品についても、先月比で7倍ほど申し込み者が増加していると報じられている。
2019年7月、日本政府の半導体素材を対象とした対韓輸出規制強化をきっかけに、韓国で日本製品をボイコットする「ノージャパン運動」が盛り上がった。それ以前までは、年間700万人以上が訪問していた時期もある。政治的な葛藤やコロナ禍が一段落するとともに、最近では歴史的な円安状況が日本旅行希望者の増加理由になっているという。
日本の立場からすれば、インバウンド復活への期待を抱かせるニュースだ。北海道で飲食店を営むY氏は言う。
「観光やインバウンド客を重要視していた地域にとって、コロナ禍は本当に地獄だったと思う。おそらく、その不況具合や街が沈んだ感じは東京にいると理解できないかもしれない。条件付きとはいえ、徐々に外国人観光客が戻ってくることには期待しかない」
また他の飲食店経営者G氏からはこんな声も。
「今回、日本旅行中に守らなければならない感染対策は条件が厳しすぎる気もする。それにパッケージツアーだと、個人商店などにお客さんが訪ねてくる機会もそれほど増えないだろう。外国人観光客が自由に旅行できるよう、通常の受け入れ再開まで早く漕ぎつけてほしい」
インバウンドは、低調な日本経済を支えうる残り少ない手段のひとつだ。今後、旅行業や各国の人々の往来再開をきっかけに、沈んだ雰囲気と経済が活性化することを望むばかりだ。
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