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#週刊誌スクープ大賞
詐欺師たちがかっぱらっていった持続化給付金“31億8400万円”
ところで、コロナ禍で困っている企業を支援するはずの持続化給付金が、制度を悪用した詐欺師たちの手によって騙し取られていたことが明るみに出てきた。
新潮によれば、4月末までに全国で3655人が摘発され、詐欺による被害の総額は31億8400万円にもなるという。その多くが確定申告書類や売上台帳を偽造して、申請されたものだったそうだ。
「約424万件の企業と個人事業主に計5.5兆円もの巨額の税金がばらまかれた。指定された期間のうち、売上が前年同月比で半減した月があれば誰でも申請でき、かつ手続きは極めて簡便。確定申告の控えや身分証、売上台帳などがあれば可能だった。税理士などのチェックも入らなかったために詐欺が横行し、申請を代行する者も現れた」(新潮)
仕組みを知る者たちにとっては、赤子の手をひねるように容易い、有難い制度だったのである。
その反省を含めて、
「持続化給付金の申請期間が終了すると、今年の1月から6月までは後継制度の事業復活支援金が設けられた。そこでは持続化給付金の反省を踏まえ、商工会議所や税理士などの機関に書類の事前確認を依頼しなければならなくなり、審査も厳しくなった。最初からこうしていれば事態は防げたかもしれないが、当然、支援金を受け取れない人も出てくる」(同)という事態も出来するのだが。
こうした制度をどう作るのか。拙速に走ったため、チェック機能を考えることまで頭がついていかなかったのだろう。
経産省が自主返納すればペナルティーは科さない、と呼びかけたこともあり、その申出件数は2万件を超え、166億円超が返済済みとなっているそうだ。
東京工業大学准教授で社会学者の西田亮介は手厳しくこういう。
「コロナ禍でも母子家庭などの生活困窮者に対しての支援は十分でない一方で、企業や個人事業主には2年にわたり現金が給付されています。過去の災害時にも企業への現金給付は前例がほとんどなく、本当に困っている人に対しての支援が手薄になっている。大変な問題だと思います」
この国の政治家や役人は、カネをばらまけば、国民は喜ぶと思っている。だが、そのカネも、詐欺師たちがかっぱらい、カネに困っていない企業主を喜ばせるが、真に困っている人たちに行き渡っているのかについては、知らん顔である。
朝日新聞DIGITAL(6月9日 5時00分)にこんな記事が載った。
「総額約9億6千万円の持続化給付金の不正受給に関わったとされる谷口光弘容疑者(47)=詐欺容疑で指名手配=が、出国先のインドネシアで身柄を拘束された、と警視庁が8日明らかにした。地元の入国管理局が不法滞在容疑で逮捕したという。同庁は捜査員を派遣して移送する方針。(中略)警視庁は、容疑者の家族を中心とするグループが関わった不正申請のうち、少なくとも960件で約9億6千万円が給付されたとみている。谷口容疑者の元妻(45)とその息子2人を5月30日に詐欺容疑で逮捕していた。(シンガポール=半田尚子)」
谷口容疑者は、セミナーで募った参加者から運転免許証の写しなどを受け取るなどして、給付金の受け付けが始まった20年5月以降、家族を含むグループで約1780件の申請を繰り返していたとされる。
谷口は三重県松阪市の生まれ。文春によると、20代で複数の飲食店を経営していたが、不動産業にも進出。だが、2011年に住宅ローン詐欺事件を起こし、暗転。
その後、勝負をかけて挑んだのがインドネシアの油田開発だったという。だが、とん挫すると、持続化給付金詐欺に手を染め、最大規模の9億円以上を詐取したとされる。
同じように、給付金詐欺で逮捕されたのが、東京・国分寺市の不動産屋で働いていた佐藤凛果(22)と、東京国税局職員の深本晃平(24)。
高校生や大学生に「暗号資産に投資すれば個人事業主になれ、給付金申請ができる」と虚偽の説明をして、不正受給させたというのだ。塚本には同じ小中学校に通っていた中村上総という仲間がいた。そのほか男女7人のグループだったようだ。
約200人の名義で被害総額は2億円にも上るという。やすやすと詐取できる制度をつくった人間たちが悪いのか、だまし取った奴らが悪いのか。
もちろんだまし取った奴らが悪いに決まってはいるが、そんな半端な制度を拙速につくってしまった側にも、大きな責任はあると思うが。
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