BTSの新曲「放送不適格」は謎判定「KBSの審査基準は恣意的で基準不明瞭」
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BTS(防弾少年団)のいくつかの新曲が、韓国の公共放送局・KBSから「放送不適格判定」を受けたとして話題だ。今回判定を受けたのは、ニューアルバム『Proof』に収録された『RUN BTS』と『Born Singer』の2曲。後者は2013年に公開された無料音源のリマスター版である。
ふたつの曲が不適格と判定された理由は、「悪口や卑語、俗語、低俗な表現が使われているため」と説明されている。言い換えれば「内容が公共放送には相応しくない」と判定されたことになる。ところで、ここで言う「放送不適格判定」とはどのようなものなのか。
韓国では、KBS、MBC、SBSなど地上波各局が、アーティストの新曲が放送するに適切かどうか、事前に申請を受けて審査する仕組みがある。これは一般的に「歌謡審議」と呼ばれる審査システムだ。なお、曲の他にもミュージックビデオを審査する「ミュージックビデオ審議」なるものもある。
詳細な判断基準は一般には公開されていないようだが、KBSの場合、BTSが不適格判定を受けた事例と同様、「悪口や卑語、俗語、低俗な表現」と判断された場合が多々ある。また過去には「歴史的事実を歪曲したり、国家・社会の社会存立の基礎秩序を毀損するおそれがある歌詞」、「男女の情事、もしくは同性愛を直接的に描写・連想させた表現」という理由で不適格判定が下った例があるという。
リストを遡って確認したところ、最近では「特定商品のブランドに言及するなど、広告効果の制限という規定に抵触」するという理由で不適格となった曲も複数確認された。この基準で言うと、瑛人のドルチェ&ガッバーナに言及する『香水』などの曲はアウトということになりそうだ。他にも「自殺、自虐行為など肉体的、精神的虐待を美化したり、残忍な内容などで嫌悪感を与える歌詞」という理由で不適切にあった曲もわずかながらあった。
ちなみに、BTSの新曲と同じ週に審査結果が発表された曲は全部で125曲だ。そのなかで、不適格判定を受けたのはBTSの曲の他にTHETHEという、日本ではほとんど知られていないバンドの「DON`T GO AWAY」という曲のみ。さらに調べると、その前週には申請された205曲のうち、GEMINIというR&Bシンガーソングライター、No Brainという韓国国内で有名パンクバンドの曲のみが不適格判定を受けている。
歴史を遡ると、JYJや4minuteの元メンバー・ヒョナ、Wonder Girlsの元メンバー・ヒョナなどの曲も、放送不適格判定を受けたことがあるようだ。ただ、アイドルの曲が「放送に適さない」と烙印を押されることはそれほど多くなく、むしろレアケースである印象がある。韓国の芸能に詳しい記者が解説する。
「そもそもKBSの審査基準は恣意的で判断基準が明確ではないため、アーティストやファンたちから不満をぶつけられることがしばしばあります。問題になっているBorn Singerの以前のバージョンも聞きましたが、どこに問題があるのか……。ここからはごくごく私見ですが、BTSはカルチャー的な側面で国内の若者に大きな影響を及ぼす存在ですし、近年では兵役免除などのイシューも抱えている。敏感な時期だけに、公共放送であるKBSの立場としては、国にとってマイナスになりうるBTSの影響力を抑止したかったのではないかと勘繰ってしまいます。それほど謎の判定です」
テレビでの露出が減れば、新曲を楽しみにしていた韓国のファンは黙っていないはず。ARMYたちはどのような反応に出るのか。新曲発売後の反応に注目したい。
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