『ジュラシック・パーク3』をあえて放送するワケ
#金曜ロードショー #しばりやトーマス #金ロー
本当にやばかったのは、IとIIだった!
例えば第一作目『ジュラシック・パーク』は最新鋭の技術で管理されたはずのパークが、スタッフのひとりが警備システムを切り、檻の高圧電流を止めたことで恐竜たちが外に出て暴れ出すという話で、たったひとりがシステムダウンさせただけで崩壊するような仕様にするなよと思った。
続編ではパーク崩壊の理由が「カオス理論で予測したから」になってましたが「ウソつけ!スタッフが電源切ったからだよ!」。登場人物の少女が体操部に所属していて、得意の段違い平行棒で恐竜を蹴っ飛ばす場面には呆れた。これは『タワーリング・インフェルノ』で水泳の元選手だったおばさんが土壇場で活躍したり、『世界崩壊の序曲』の綱渡りシーンで元サーカスの綱渡り名人だったじいさんが活躍したりするという、往年のパニック映画のマヌケ描写の再現で、最新の映像技術で最低映画の1シーンを再現してどうする? 『ロスト・ワールド/ジュラシック・パーク』は前作以上のヒットとなったが、評価は地の底まで落ちた。
そこへ行くとジョンストンの『Ⅲ』は天と地ほどの開きがある。物語は事故でパークに取り残されてしまった子供を助けるべく、第一作目の主人公(サム・ニール)が子供の両親に騙される形で島に戻ってくる。すでに死んでいると思われた子供は、恐竜に関する知恵を駆使して生き延びていた。例えばティラノの尿を採集してヴェロキラプトルを追い払ったりするのだ。段違い平行棒とはわけが違う。
不仲で別居状態だった夫婦は、子供との再会で失われつつあった家族の愛情を取り戻す。これは両親が不仲で家族が離れ離れになりませんようにと願っていた幼少時代のスピルバーグを思わせ(彼の作品にはそういった家族間の物語がよく反映されている)、本人が監督した前二作よりはるかにスピルバーグらしい物語になっている。プテラノドンが大暴れするシリーズ初の空中戦やアクションの組み立ても面白く、クライマックスに突然登場する軍隊も「米軍VS恐竜軍団」の大戦争を予感させるオチで期待が膨らんだのだが、一旦シリーズは打ち止めになったのが悔やまれる。
なので今回の金ローがシリーズ最新作の宣伝として一作目や実は評価を落とした二作目ではなく、三作目を持ってきたのは「そのチョイス、ベストだね!」と言わざるを得ない!
このシリーズ、三作目が一番面白いから来月の『ジュラシック・ワールド/新たなる支配者』も、新三部作中一番の傑作だよ! 多分。
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