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日刊サイゾー トップ > 連載・コラム  > 秋篠宮さまと天皇陛下の深まる“険悪”

秋篠宮さま“本音に限りなく近い”インタビュー本出版で深まる、天皇陛下との険悪

“女性記者より細田細田衆院議長を守ることに”…大手メディアの煮え切らない態度

 今週の第1位も、細田衆院議長のセクハラを追及している文春にあげたい。なぜなら、この問題がこのままいくと、参議院選の焦点になるかもしれないからだ。有権者にはわかりやすいし、これまで読む限りでは、酷すぎるからだ。

「五月二十五日昼に文春電子版で先週号の記事が配信されると、中身を知った細田氏は激怒した。『すぐに文春を訴える』『会見を開く』などと息巻いていました」(清和会関係者)

 だが、当選同期の山口俊一議員運営委員長や、派閥の後輩である高木毅国対委員長といった身内からストップがかかった。

 細田氏側近の一人も、本人にこう伝えたという。

『議長が予算委員会の最中に個人的な事柄で報道機関を提訴するなど、国権の最高機関である国会への冒涜になります』」

 周囲の説得を受け、細田氏は渋々『国会中はやめておく』と漏らしたという。

 しかし、ある政権幹部は文春にこう明かしたという。

「報道については、私にも『事実無根』と言っていたけれど、細田さんの女癖は有名だから。年を取り、歯止めが利かなくなったんじゃないか。女性記者だけではなく、昔から女性議員に対してもセクハラのような言動をしていた。“挨拶代わり”のようにね」

 自民党から出馬経験のある女性議員Iがこう振り返っている。

「私が国政初当選してから間もない十年以上前のことですが、党のイベントからの帰り道、細田先生が私を自宅まで車で送ってくれたことがありました。自宅が近付くと、細田先生は私の家に行きたいと言い出したんです。もちろん、お断りしましたが……」

 女性なら誰でもいいから誘う、それが紳士の嗜みだと考えているのではないかとさえ思えてくるが、続いて文春に告白するのは、細田を取材した経験を持つ女性政治部記者だ。

「細田氏とは、二人でディナーに行ったこともあります。ある夜に指定されたのは港区のレストラン。大物議員のチョイスとしては意外なほどカジュアルなお店ですが、細田氏の行きつけでした。ただ、食事中に政局や選挙のことを聞いても『うーん、そうだね』などと生煮えの返事ばかり。全く取材になりませんでした」

 女性は誘うが、政局に関しては言わない。ここらあたりに彼の「良識」の判断基準がありそうだ。

 別の女性記者がこう憤っている。

「私の記者仲間の女性は、執拗な誘いを断れず、細田氏のマンションに行ったことがある。誘い文句は『うちでプラネタリウムを観よう』だったそうですが、上映するのはベッドルームなのだと聞きました。仮に“何もしない”としても、プラネタリウムを観るためには照明を落とす必要がある。寝具のある部屋で照明を落とし、好意のない男性と二人きりで過ごすなんて、女性には恐怖でしかありません。たとえ、それが高齢の男性であってもです」
証拠や証言を基に、細田のセクハラ問題を詳細に報道した文春の先週号の記事を目にした細田は、女性記者たちの携帯電話を鳴らしたそうだ。ひとしきり「記事は事実無根だ」などと文句を続け、こう言い放ったというのだ。

「誰も実名で話さないだろ」

 かねてからセクハラ被害を受けてきた女性記者の一人は、こうした会話を「デジタル記録」の形で残しているという。

 親しい知人が言う。

「文春の記事に匿名証言が目立ったことから、信憑性を軽んじたのでしょう。ですが、この電話を受けたのは、実際に細田氏からセクハラを受けてきた当事者に他ならない。細田氏もそれを知らないはずはありません。にもかかわらず、彼女にこうした発言をすることは、『話したらどうなるか、分かっているな』という圧力そのものです」

 そこで文春は大手紙、通信社、NHK、民放の14社に対して、「細田氏からのセクハラ被害について社内で調査を行ったかどうか」、「調査の結果、セクハラ被害があったか無かったか」などを問う質問状を送付したそうである。

 文春によると、調査の実施を否定した社はゼロ。調査の結果、細田からのセクハラ被害はなかったとしたのは、読売新聞とフジテレビの2社のみだったという。

 大手メディアの編集幹部がこういう。

「細田氏のセクハラ報道を受け、わが社でも『きちんと追及するべきだ』という声が上がっています。今後の政治取材に影響が出るからといって、報道することを止めてしまえば、女性記者より細田氏を守った形になってしまう。メディアとしてはそんなことが許されていいはずがありません」

 こんな当たり前のことをいわなくてはならないほど、今のメディアは病んでいるのだろう。朝日新聞や産経新聞が社説で細田批判をしていたが、特に朝日は迫力不足。自社の女性記者たちを守ろう、セクハラする議員は許さないという“気迫”が感じられないものだった。

 政治家は清廉でなくてはならない。そんなことを今の政治家に望みはしないが、このケースはあまりにひどい。

細田が不信任を出されても辞めないと、自民党は手痛いしっぺ返しを有権者から食らうだろう。私は、辞めないで欲しいがね。(文中一部敬称略)

元木昌彦(編集者)

「週刊現代」「FRIDAY」の編集長を歴任した"伝説の編集者"。

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もときまさひこ

最終更新:2022/07/06 13:55
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