『ダウンタウンDX』で見せたヨネダ2000とダウ90000、それぞれの“平場”術
#お笑い #新道竜巳
とにかく自然体のダウ90000メンバー、ダウンタウンにいじられまくり
一方、もう一組の初出演芸人はダウ90000です。
2020年に大学の演劇サークルメンバーで結成したお笑いグループ。こちらも「M-1グランプリ2021」予選から注目を集め始めており、今年あっという間に軌道に乗った8人組コントユニットです。今回番組への出演は選抜メンバーのみ。蓮見翔(はすみしょう)、忽那文香(くつなあやか)、吉原怜那(よしはられな)、上原佑太(うえはらゆうた)の4人でした。
こちらも今年5月の単独ライブ16公演が即完売でチケットが売れるなど、注目の高いコント集団です。ここまで大人数のユニットが注目されたことはここしばらくなく、まさに新星です。そして“舞台畑色”が強くて、個性が強いキャラクターがいないこのグループがどう、『ダウンタウンDX』で立ち振る舞うのか―−。はたまた大失敗してしまうのかそわそわしてみていました。
結果的には、かれらそれぞれがかなり自然体対応していて、それが完全に武器となっていましたね。台本を書きリーダーを務める蓮見さんのありかたも、腰が低くて偉ぶらずとっつきやすい……そんな中に少しだけにじみ出る口の悪さがあって、そんなところをダウンタウンさんが弄って引き立てていました。
とかくお笑い芸人は、老舗番組や大御所MCの番組に初出演するとなると、悪目立ちしたり気負ってよけいなことを言って興ざめさせてしまいがち。ダウ90000は、そんな姿勢は全く見せなかったんです。
またメンバーの忽那文香さんが喋る場面の時、うまく喋れずつまりながら照れ笑いしてしまい、ダウンタウンのお2人から「何がおもろいねん」と突っ込まれていましたが、そのとき見せていた表情の自然さと愛嬌で、ついつい応援したくなると思わせます。こういうのって、自ら笑わせに行ってる場面ではないので、人によってはつまずいたことでひどく傷ついたり、さわいだりして、とりみだすこともあります。そうするとより映りが悪くなってしまうんですが、どの場面を見ても、この4人にはそういうことは全くなく、常に自然体でした。
そして全く喋らなかった上原佑太さんが「そうですね……」と喋ると、松本さんは「そんな声なんかい」と突っ込んで、彼が喋る前に常に何かを言って盛り上がるという構図もありました。これに関しても実は、誰でもがこのいじられるポジションに行けるわけではなく、松本さんが「この人をこう扱ったら面白い」と描きやすい存在だったんですよね。これは松本さんだけではなく、自然体で参加している上原佑太さんの魅力でもあったと思います。
ダウ90000のメンバーは、台本をこなしているうちに身についたのかまではわかりませんがその場で、自然体で愛嬌があり、魅力的で笑いが起きるという理想の形での出演は、あっぱれでした。
今回、ヨネダ2000とダウ90000は、平場の姿勢に対してこれほどまでに対局であったにも関わらず、常に面白さが演出できていたのは“愛嬌”という共通点だと思います。見ていて嬉しい気持ちになる人のよさが、テレビを通して感じれました。
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