『ザ・ノンフィクション』27歳“流し”の歌姫「自腹で聖地・武道館ライブ」の現実味
#ザ・ノンフィクション
これまでも「殺人犯の息子」「万引きがやめられない陸上選手」「FXで大儲けした若者」「一夫二妻制生活を送る夫婦」「婚活女性ミナミさん」など、とにかくキャラが濃い人物を紹介してきたフジテレビの名物番組『ザ・ノンフィクション』。
※ネットで話題をさらった「婚活女性ミナミさん」回
5月31日放送回に登場したのは、27歳の流しの歌手・あいさん。彼女の夢は「日本武道館でライブをすること」で、とにかくエネルギッシュな女性だった。
「あいさんの活動は、スナックやクラブを飛び込みで訪れ、客のリクエストに応じて歌を披露し、チップをもらうというスタイル。プロデビューはしていませんが、武道館ライブという夢に向かって走り続けている女性です。そのバイタリティは強烈で、チップで貯めたお金で日本武道館を予約しようと奔走。見積もりを取ると、費用は約4000万円だと言われますが、彼女はGOサインを出し『ワンマンライブが決まりました!』と発表します」(テレビ情報誌記者)
1軒1軒飲食店を訪ね歩けば、けんもほろろに追い返されたり、歌い終わっても拍手がもらえないこともザラ。それでもめげないあいさんだが、番組途中から雲行きが怪しくなってくる。
「大きな夢を抱く彼女を応援しようと、会社経営者などの大口スポンサーが現れる一方で、あいさんは、大切なライブ資金から50万円を切り崩して家を借ります。その理由は『飲み屋で会うおじさんに”自分の城を持て“と言われたから』。家具なども買い込み、100万円が瞬く間に消えます。
また、武道館公演の話も一向に進まず。見積もりを取って企画書を出し、予約オファーを出した時点で武道館を押さえたと思っていましが、返事待ちの状態は3カ月に。しびれを切らして制作会社に尋ねると、あっさり『無理です』と言われてしまいます。
ただ、それでもあいさんの気力は全く衰えず、知り合いの紹介で銀座のスナックの雇われママとして資金を貯めることに。『武道館がダメなら、とりあえず1万人規模の会場を探してやってみる』と述べるところでエンディングとなりました」(同上)
無名の歌手が“おカネの力”で武道館を押さえられるかどうか、冷たくあしらわれたことでようやく悟ったあいさん。武道館公演の夢はいったん保留となったが、費用さえ用意できれば1万人規模のホールを押さえることは可能なのか?
「結論から言うと相当に厳しい、というか、ほぼ不可能です。アーティストたちは、サブスクの影響でCDが全く売れず、ごく一部の超ビッグネーム以外はどこもアップアップの状態。それゆえライブで稼ぐしかありませんが、ライブ会場はコロナの影響もあって閉鎖や改装などが相次いでおり、会場は争奪戦です。週末ともなると2年~3年先まで埋まっている箱もあるほどです。
プロモーターや放送局は予定がなくても会場を押さえているので、有名アーティストなら融通が利くこともありますが、無名の歌手ならその手も使えません。貸し手側からすれば、借り手がいくらでもいる状況で、わざわざ実績がない人間に貸すメリットがありませんし、ともすれば箱の名前にキズがつくという問題もある。よほど強力な後ろ盾がなければ、会場を借りるのは厳しいでしょう」(音楽関係者)
どれだけ跳ね返されてもへこたれないあいさんの姿勢は見習いたいが……すべては「Part2」の放送に期待することになりそうだ。
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