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日刊サイゾー トップ > インタビュー  > プロレスにまだ「テレビ」が必要な理由
スーパー・ササダンゴ・マシン"流行"を考える〈ポップカルチャー生涯学習〉

スーパー・ササダンゴ・マシン、プロレスにまだ「テレビ」が必要な理由

「宝塚」と「ポップスター」の両方を目指すには

編集T ほかのジャンルだと「推しは増やすもの」みたいな言い方もしますけど、プロレスはそこの潔癖さがまだある、と。それはライト層が増えたら解消されるんじゃないでしょうか。「この団体のこのレスラーもかっこいい、あっちの団体のあの人もかっこいい」みたいな人が増えたら、もっと気軽にいろいろ応援する文化ができそうな気がします。

ササ そう、だからライト層を増やさないといけないんです。同時に、すごく寛容度の高いファンにもいてほしい。宝塚のように応援されたいという気持ちもあれば、世間一般の人に広く知られたポップスターになりたいという気持ちもあるんですよ。短距離と長距離の両方でオリンピックのメダルを目指すような難しさがあります。それくらい、どちらかに絞りきれてない。

編集T 宝塚のように、というのはどういうニュアンスですか?

ササ お客さんのロイヤリティ(忠誠心)が高くて、自分の人生すべてを捧げているようなところがあると思うんです。宝塚のファンダムのあり方は、マーケティングの世界でファンづくりの一番のお手本とされるところですからね。プロレスも、本来そういうふうになれる可能性があるんです。でもそれはDDTがやるべきことなのかな? とはちょっと思います。伝統や規模を考えると新日本プロレスがいくべきところで、DDTはもうちょっとポップなところを狙いたいんだろうな、と。

編集T 長距離と短距離を同時にやるって、かなり難しそうな……。

ササ 難しい。多分、どこの団体も会議でそういう話をしていると思います(笑)。

編集T 短距離の勝ち方として、地上波戦略はひとつ有効そうですね。プロレスラーがコンスタントにテレビに呼ばれるようになるには、どんなフックが必要だと思いますか?

ササ ちょっといい大学を出ていたらクイズ番組、体づくりに関連して料理系、『SASUKE』みたいな体力系、といったあたりはすぐ思いつくところですよね。僕が思っているのは、多分なんですけど、プロレスラーってテレビだとボケ役を担うことが多くて、極論を言えば“ポンコツニーズ”みたいなものがあるんですよ。でもそれって、回してくれる、ツッコんでくれる人がいてなんぼじゃないですか。だから息のあったボケツッコミができる二人組のレスラーというのは一個の手なんじゃないかなって。

いってみれば、なすなかにしさんみたいなコンビですよ。同じくらいの背格好で、いとこくらいの関係性ってすごく理想的だと思う。それができたら、ロケでも大食いでもクイズでも、あらゆる場面で活躍できると思う。

編集T 今それをDDTでやるとしたら誰なんでしょう?

ササ 納谷君と上野なんかいいんじゃないですか!? デカくて血筋の良い納谷君(※)と、彼より先輩で狡猾にコントロールできる上野という『鉄人28号』みたいな組み合わせで。納谷君は最近大食い番組に出てますけど、彼一人では物足りないときや、知名度的に上野一人ではまだ戦えないような状況で、セットでガンガンいけたらすごくいいと思う。

※納谷幸男選手:昭和の名横綱・大鵬の孫で、元関脇・貴闘力の長男。

プロレスにまだ「テレビ」が必要な理由──スーパー・ササダンゴ・マシン「流行」を考えるの画像3
納谷幸男選手と上野勇希選手(DDTプロレスリング公式サイトより)

編集T 『スッキリ』で真壁さんのコーナーに本間朋晃さんが来ると、真壁さんがフォロー&ツッコミを担っていましたよね。ああいう活躍をする納谷さんと上野さん、見たい……!

ササ そうそう。その事例から見てもありなんですよ、やっぱり。実は僕もこれに途中から気づいたんです。「もっと早く、男色ディーノさんとセット売りの可能性を探るべきだった」と。あと10年、気づくのが早ければ……。

構成=斎藤岬

スーパー・ササダンゴ・マシン(プロレスラー兼タレント)

1977年11月5日、新潟県出身。DDT所属のプロレスラー兼、タレント兼、坂井精機の代表取締役社長。早稲田大学在学中にDDTの興行に参加。レスラーとして活動しながら、映像班を兼務し、2004年には演劇系プロレス興行『マッスル』をスタートさせた。一度は実家の金型工場・坂井精機を継ぐために引退を発表。現在は社長業の傍らレスラーとタレント業でも活躍中。

すーぱーささだんごましん

最終更新:2022/06/02 23:00
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