「ツギクル芸人グランプリ」実は漫才師圧倒的不利な中で優勝したストレッチーズ
#お笑い #ツギクル芸人グランプリ #檜山豊 #ストレッチーズ
Bブロック2組目「ハナイチゴ」
芸歴16年目の決勝最年長コンビであり、さらに今大会唯一の男女コンビでもあるハナイチゴ。他のコンビには無い圧倒的な声量が武器だと豪語しており、正直ウケでは負けない自信があるようだった。
お笑いにおいて声量は結構重要で、小さいと笑いに繋がらず、大きすぎてもお客さんが引いてしまう。ちょうど良い加減で出せれば確かに圧倒的な武器になる。大声好きの僕としてはいやが上にも期待が高まった。
ネタはボケの関谷友美さんがスナックのママになりたいというもの。基本的にママと客の会話の部分は普通の音量で話をし、相手にツッコミを入れたいところは心の声として大声で突っ込むといったシステム。とてもわかりやすく見やすいネタなのだが、実はこのシステムは笑いが盛り上がりづらい。
理由としては、会話とツッコミが交互に繰り返されるということは会話が途切れ途切れになるということ。そうなるとせっかく上がったお客さんの笑いボルテージも、会話が途切れたタイミングでリセットされてしまうから笑いが盛り上がっていかないのだ。それとこのネタに関してなのだが、ツッコミに力を入れるあまり正直ボケが弱いように感じた。
お笑いの基本に立ち返り、ボケの強化をしてそれに対して今のように突っ込んだ方が笑いが大きくなるのではないだろうか。
3組目「森本サイダー」
今大会唯一ピン芸人。R-1グランプリ2021で決勝へ進出した記憶が新しい。独特な癖のあるネタが吉と出るか凶と出るか――。
ネタの内容は黒魔術の本を手に入れた青年が己の憎しみが深ければ深いほど威力を増す暗黒爆弾ダークマターを召喚し、自分をバカにした奴らに復讐していくという中二病全開ネタ。
僕は森本さんが登場して5秒で心を鷲掴みにされた。ここまでお客さんに媚びず、自分のやりたいことを貫くネタは見ていて気持ちが良い。何度か森本さんのネタは見たことがあるが、今までで1番好きなネタだ。
もちろん自己中心的なネタにしないように普通っぽいボケも入れているのだが、そんな所より自己中心的なボケのほうが訳がわからなくて面白い。ただこのネタは老若男女、誰にでも通じるものでは無い。本来お笑いは頭を使って見なくても笑えるものであるべきなのだが、このネタに関して、いや森本サイダーに関してはお客さんが森本サイダーに寄っていき、面白い部分を採掘する必要がある。
それなのである程度頭を使ってお笑いを見る、一定の層にしか笑えないのが残念で仕方がない。今のままだと賞レースで優勝するのは厳しいと思うが、このまま我が道を突っ走っていってほしいと思う。
4組目「さんだる」
2人共東京生まれ東京育ちで、同じ事務所のさまぁ~ずさんやバナナマンさんの血を受け継いでいる東京コント師。この系譜を断ち切らず受け継いでいくことが出来るのだろうか。
ネタはバイト終わりの休憩室。若者とおばさんの会話。2人の見た目から、キャラ押しのコントかなぁと思っていたのだが、2人とも芝居が抜群に上手い。特にツッコミの宗洸志さんは、別格に上手い。何組か芝居が上手いと書いたが、それはコント芝居の事で、この宗さんに関しては普通のお芝居もかなり上手いと思う。
コント芝居の場合、普通のセリフもほんの少しだけ過剰に演じるのだが、宗さんはツッコミ以外は誇張せず、実際のおばさんのように穏やかで女性的な喋り方をする。もちろんこれに加えてコント芝居も出来ている。芝居が上手いコンビというのはゆっくり時間をかけて空気をつくり、じっくりとキャラクターをわからせていき笑いを起こす。今大会の持ち時間は3分間。さすがに3分間では少し強引な展開にならざるを得なかったようで、元来の面白さが全部伝わっていないような気がした。あと2分あれば少しは違ったかもしれない。
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