「ツギクル芸人グランプリ」実は漫才師圧倒的不利な中で優勝したストレッチーズ
#お笑い #ツギクル芸人グランプリ #檜山豊 #ストレッチーズ
Bブロック5組目「わらふぢなるお」
最近テレビでも見るようになったわらふぢなるお。2018年のキングオブコント準優勝という実績もあり、他のメンバーに比べると経験値が多いので優勝に近いのではないだろうか。
今回のネタは“入っていなかったスプーンを届けにきた配達員が嫌味臭い”というもの。コントの設定もわかりやすく、セリフや流れも悪くは無かったが、お客さんにはあまり伝わらなかったようで、笑いが少なく感じた。
こういった賞レースの場合、少し早めのテンポと声量がキーポイントになってくる。このコントは比較的ゆったりと流れ、セリフもひとつひとつ聞かせる為にわざと間をあけて話しているので、どうしてもまったり見えてしまう。ツッコミが終始イライラしているので、最初からもっとイライラをぶつけても良かったかも。最初のボケへのアプローチが、突っ込まずに普通の会話としてしまったのが敗因かもしれない。これだけ失礼なボケならば、すでに何時間も待っているとか電話での対応が悪いなどの理由をつけて、イライラマックスからスタートしても良かった。スタート時の声量でお客さんを巻き込まないとコントは厳しいものがある。
Cブロック1組目は「ネギゴリラ」
Cブロックからファイナルステージへ進出したのはこのコンビ。いかにも体を張ったネタをやりそうな名前なのだがその実、テンポの良い掛け合いを駆使する技巧派コント職人という2人。煽りVTRでの印象は「とにかく若そう」。その若さから表情の作り方も喋り方も、芸人というよりは一般の方に見えた。これがネタになった瞬間にどう、変わるのか楽しみである。
ネタは新しく赴任してきたクラスに”裏回し”をする生徒がいるというもの。裏回しというフレーズで笑いが起きていたので、業界用語が一般の方にも浸透してきたことがうかがえる。びっくりしたのは2人とも芝居が上手い。特にツッコミの細野 祐作さんのほうは無個性であり、どんな役になっても違和感が無さそうなのでツッコミとしての資質は抜群だ。
対してボケの酒井駿さんはその風貌や喋り方からいじられキャラのように見える。だがボケの内容はどちらかというとシュール。あまり酒井さんに似合っているようには思えないボケで、その似合っていないというのをうまくコントロールすることも出来ていないので多少、違和感を感じてしまう。
ファイナルステージのネタは、ただのとんかつ屋さんだと思いきや、実は武器商人で、ブローカーとの合言葉が異常に長いというネタ。これもやはりシュール。しかも合言葉に出てくるフレーズが下手すればカッコいいと思われかねないものなので、もしかしたら酒井さんはあまり自己プロデュースが出来ていないのかもしれない。
このようなシュールなネタを違和感なくやる場合、ファーストステージのネタなら最初はキャラに見合ったボケ(天然ボケ?)を入れておいて、中盤くらいから実は、わざとボケていて気が付いたら裏回しされていたとか、ファイナルステージなら前半ハードボイルドに決め、わざとカッコよく見せておいて、後半滑舌が悪くて何を言ってるかわからないとか、一瞬メモを見るとかベタな笑いを入れた方が展開も広がり見やすくなるはずだ。
ネタ自体の面白さはかなりハイレベルなので、もう少し自分たちを客観的に見る力を養えばチャンピオンになるのは間違いない。
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