「ツギクル芸人グランプリ」実は漫才師圧倒的不利な中で優勝したストレッチーズ
#お笑い #ツギクル芸人グランプリ #檜山豊 #ストレッチーズ
Bブロック2組目は「竹内ズ」
年間400ステージをこなす舞台至上主義コンビ。『水曜日のダウンタウン』(TBS系)で開催された「不仲芸人対抗! スピード解散選手権」で圧倒的早さで解散を決めたコンビとしてご存じの方もいると思うが、ネタまで見たという人はそう多くないと思う。そんな竹内ズはどんなネタを見せてくれるのだろうか。
ネタは卒業式で卒業させたくない校長先生と卒業生とのやりとり。前半は卒業証書を引っ張り合いながら、後半は歌うことを阻止しながらという終始ドタバタコントだった。正直なところ印象はそれだけ。動きで笑わせようとした部分はあったが、動きで笑わせるというのはかなり難しい。理由としては動きに特化して笑わせる芸人がいるからだ。霜降り明星のせいやさんや、最近だと錦鯉の長谷川まさのりさんなどがその部類に入る。そういった芸人と比べるとどうしても動きが弱く、それだけでは笑いに繋がらない。
さらにネタ中のコメントも直接笑いに繋がってインパクトが残るようなものは少なく、勢いはとても良かったのだが、逆に勢いだけしかなかったように見えてしまった。どこかで見たような笑いが多かったので、もっとお客さんに伝わるかどうかわからないが“これぞ竹内ズ”という笑いが見たかった。それができる数少ない芸人だと僕は思う。
3組目「キュウ」
2年連続決勝進出したスロー漫才師。その異名の通り、ゆったりと歩き時間をかけて登場。ネタ時間が3分間という短い時間なのだが、彼らはひとつめの笑いが起きるまでに約20秒から30秒くらいかけたのではないだろうか。僕が出場者ならできるだけ早く笑いを起こしたくなってしまう。
ネタ自体はカレーのことをカリーといい、カレーのルーをレーと言ってみたり、その後も言葉を少しずらして次々に発言していくというものなのだが、この手のネタはお客さんが頭の中で「正しい言葉は何だっけ?」と考えてしまい、すぐに笑いに繋がらないことが多い。案の定、笑いが少し遅れてやってきたり、考えている間に次のボケに行ってしまい、笑いが少なくなってしまうポイントが多々あった。たった3分間しかネタ時間が無い場合はやはり早めに笑いを取り、そのまま少しずつギアを上げていき、最後にマックスまで笑いを持っていくというのが常套手段となる。
キュウのような雰囲気で笑わせる芸人にとって、この大会のネタ時間とシステムは少し分が悪かったのではないだろうか。
4組目「パンプキンポテトフライ」
昨年行われた「M-1グランプリ 2021」の準々決勝でネタを見たときに、エンジンがかかるのが遅かったが、結果としてとても面白かったいう印象が残っている。今回はネタが始まり早速、笑いを起こしていたので掴みとしては上々だろう。
ネタ自体は”ねづっちです”がうまくできないというネタだった。これは個人の好みが入ってしまうのだが、誰かのネタを使ったネタが僕はあまり好きではない。それはどことなく元ネタをバカにしているように扱うことが多いからだ。もちろんやってる本人たちはそんなこと考えていないと思うが”誰も知らない”とか”気にして見たことない”という発言などがあって、どことなく見下しているように見えてしまった。気にしない人は気にしないのだろうが、僕としてはネタへの集中力が途切れてしまう気がする。
お笑いのネタは経験を重ねるほど誰も傷つけないものへと進化していく。誰かを傷つけたり嫌な思いをするネタをやっている芸人は確実に消えていく。芸歴10年近い彼らなら、その辺りの微妙なラインがわかっていても良い気がするが、そういう意味でこのネタは賞レース向きのネタでは無かったと思う。キャラクターやセンスは面白いだけに残念だ。
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