フジテレビ、港浩一社長就任で揺れる地方系列局
#フジテレビ
フジテレビが新社長の人事で湧いている。共同テレビジョン社長を務める港浩一氏が、フジの新たな社長に内定したからだ。6月28日の株主総会と取締役会で正式決定し、同日に就任する予定という。
港氏は1976年に入社。フジの全盛期に『夕やけニャンニャン』や『オールナイトフジ』の制作に関わり、プロデューサーとして『とんねるずのみなさんのおかげです』などを担当してきた人物。フジを代表するバラエティ番組を制作し、とんねるずの冠番組ではその姿を見かけることもあった。
「もっともフジに勢いがあった時代を代表する社員で、現在も共同テレビでさまざまな番組を手掛けている。腰が低く社内での評判も良い。ただ、フジでは過去に数々のトレンディドラマをヒットさせた亀山千広氏が現状を“改革”するため社長に就任したが、上手くいったとはいえなかった。テレビ業界は今、どの局も大変な状況にありますが、特にフジは、今年の頭に早期退職者制度を行ったばかり。『めちゃ×2イケてるッ!』の総合演出で有名な片岡飛鳥氏や、ドラマ『電車男』や『のだめカンタービレ』などを手がけた武内英樹氏など、エース級のベテラン社員がごっそりと辞めた後での社長就任となる。業界では、港さんは貧乏くじを引いたという話で持ちきりです」(民放関係者)
そもそも港氏は現在70才。前任もわずか約1年で社長の座を降りているが、港氏も数年でのバトンタッチになるのではないかと言われている。
「若者向けの番組を作ろうとしている時に、なぜ70歳のご高齢を社長に据えるのか。港さんは間違いなくフジの功労者ですし、制作の現場のこともよくわかっています。それでも、時代に逆行した人事に社内ではやはり落胆する声が大きい。明石家さんまさんも、ラジオで『(今後、フジで)使われるのはとんねるずになるだろう』と冗談とも本気とも取れる発言をしていましたが、実際にとんねるず・石橋貴明さんの番組を作るという話も出ていますしね」(フジテレビ関係者)
この人事を冷ややかな目で見ているのが、業界最大手のお笑い芸人事務所・吉本興業だとか。
「吉本はここ最近、今年3月に立ち上げたばかりの新たなBS放送局『BSよしもと』に注力していて、地方自治体との取り組みを強化している。その『BSよしもと』には、元フジテレビアナウンサーで吉本入りした久代萌美も積極的に起用する予定ですし、番組制作スタッフにも早期退職制度でフジを辞めた人がいて、フジとは微妙な関係になっているという話も聞きます。吉本としては、港さんの社長就任は、どちらかというと“お手並み拝見”といった態度で見ているみたいです」(民放関係者)
また、港氏の社長就任をあまり歓迎していないのは、フジ系列の地方局も同じだという。
「キー局のフジテレビ本体は、コロナ禍から徐々に業績を回復させていますが、系列局はまだ不況から脱していないところも多い。特に大打撃を受けている東北方面の地方局は、社員も辞め、アナウンサーもコロコロ変わるなど異常事態となっている。系列局の盛り上げに一役買っていた『27時間テレビ』は今年も制作中止ですし、キー局への恨み節も聞こえてきている。港さんは、長年フジのトップに君臨して“天皇”とまで呼ばれ、いまだに“院政”を敷いている日枝久さんの“子飼い”。系列局にとっては経営を抜本的に改革をしてくれる『プロ社長』を外部から引き入れてくれたほうが助かるという声が出ている。黄金時代のフジのプロデューサーの港さんでは何も変わらないと諦めムードになっています」(民放関係者談)
果たして港氏は、フジを立て直すことができるのか?
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