主演、準主演で20本以上! ジャニタレが春ドラマを席巻した理由
#ジャニーズ #ドラマ
各局、豪華キャストを揃えたものの、苦戦が報じられている春ドラマ。なかでも、主演・準主演を独占したジャニーズタレントに厳しい視線が注がれている。
「この春、ジャニーズのタレントが主演を務めたドラマは10本、準主演も11本以上あります。“ジャニタレを出せば、そこそこの視聴率が取れる”というテレビ局の安易な発想が原因ですが、視聴率の惨敗が伝えられる今、その姿勢が問題視され始めています」(ドラマ制作会社プロデューサー)
4月期のドラマには、元SMAP・木村拓哉主演の『未来への10カウント』(テレビ朝日系)を筆頭に、TOKIO・松岡昌宏主演の『家政婦のミタゾノ』(テレビ朝日系)、元V6・井ノ原快彦主演の『特捜9』、嵐・二宮和也主演の『マイフアミリー』(TBS系)、NEWS・増田貴久主演の『吉祥寺ルーザーズ』(テレビ東京系)、Hey! Say! JUMP・山田涼介主演の『俺の可愛いはもうすぐ消費期限!?』(テレビ朝日系)、King & Prince・神宮寺勇太主演の『受付のジョー』(日本テレビ系)、なにわ男子・道枝駿佑主演の『金田一少年の事件簿』(日本テレビ系)、HiHi Jetsのメンバー主演の『全力クリーナーズ』(朝日放送・テレビ朝日系)、それにNHKBSプレミアムで放送されている東山紀之主演の『大岡越前』と、実に10作品にジャニーズタレントが主演している。
「このほか、準主演クラスも挙げれば、フジテレビ月9ドラマ『元彼の遺言状』の生田斗真や、NHK『卒業リミット』のKis-My-Ft2・北山光宏ほか、各グループからまんべんなく起用されています。ジャニーズの創業者であるジャーニ喜多川さんや、“女帝”と恐れられたメリー喜多川さんが亡くなったことで事務所のパワーも落ちるかと思われていたのですが……」(番組制作会社プロデューサー)
ジャニーズ事務所を“アイドル王国”に築き上げた創業者・ジャニー喜多川さんが他界したのが19年7月。その2年後の8月には、ジャニーさんの実姉でジャニーズ事務所の“女帝“といわれたメリー喜多川さんが亡くなり、事務所の力もパワーダウンするのではないかと見られていた。
「ジャニーさんが育てたタレントを、主にメリーさんと、当時SMAPのマネジャーだったI女史がマネジメントしていましたが、人気絶頂だったSMAPのメンバーを起用するため、2人のもとに日参するテレビ局スタッフに対して、バーターで嵐やV6、TOKIOのメンバーを出演させて売り出す、といった手法でジャニーズはテレビ界を支配していたと言っても過言ではありませんでした。しかしその後、I女史は退所に追い込まれ、2人が亡くなった後、跡を継いだのは、メリーさんの娘である藤島ジュリー景子と、元アイドルの滝沢秀明でした。ただ、ジュリー社長にはカリスマ性がありませんし、滝沢は、ジャニーさん仕込みでタレントを育てる力はあるものの、テレビ局に対する“力”がない。当然、局への影響力は弱まるものと思われていました」(芸能ライター)
ところが、周囲の心配をよそに、ジャニーズ所属のタレントは、これまで以上にテレビ業界を席巻している。
「よく、“テレビ局がジャニーズに忖度しているのでは”と言われていますが、昔と違って今はそんなことはあり得ません。むしろ、近年、ジャニーズ事務所が、これまでご法度としてきたネットを解禁したのが大きいでしょう。というのも、最近デビューしたジャニタレのグループは、テレビではなくSNSなどでの活動でファンを獲得しています。そこは、まさにテレビ局が取りこぼしているファン層だけに、彼らを起用すれば、テレビ離れが指摘されているファンの視聴率が見込めます。しかも、以前と違って、今のジャニーズはギャラにうるさくなく、安く使えるんです」(某民放編成局員)
安く起用できるうえ、数字まで取れるのであればこれほどオイシイ話はないが、冒頭で触れた通り現実は厳しく、なかでも、“二桁男“と呼ばれたキムタクこと木村拓哉が主演するドラマ『未来への10カウント』は、初回こそ11.8%(関東地区、ビデオリサーチ調べ)を取ったものの、3話目から10%を割り、最終回の繰り上げまで取り沙汰される有り様だ。
「ジャニタレの主演ドラマで二桁台をキープしているのは二宮主演の『マイファミリー』だけです。テレビ局のジャニーズ頼りも、もはや限界でしょう」(前出のキャスティングプロデューサー)
そもそも、真摯に役者を目指している、演技力のある俳優を抜擢して育てるのが、ドラマ制作者の使命ではないかと思うが、いずれにせよ、そろそろ、“ジャニタレを起用すれば視聴率が取れる”という思い込みは捨てたほうが良さそうだ。
(文=本多圭)
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