窮地のフジテレビ、港浩一社長就任で“とんねるず”が「ますます戻れなくなった」と言われるワケ
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フジテレビは5月18日、社長にフジ・メディア・ホールディングスの子会社である共同テレビジョンの港浩一社長が就任する人事が内定したと発表。6月28日に予定されている株主総会と取締役会で正式決定し、同日就任する予定だが、業界内では「とんねるずの起用が増えるのではないか」とささやかれているようだ。
現在70歳の港氏は、早稲田大学卒業後、1976年にフジテレビに入社。制作部ではバラエティ番組のディレクターとして活躍し、工藤静香や渡辺満里奈らを生んだ『夕やけニャンニャン』や、デビューしたばかりのとんねるずらを起用していた『オールナイトフジ』などを担当。プロデューサーを務めた『とんねるずのみなさんのおかげです』『とんねるずのみなさんのおかげでした』では、木梨憲武が港氏をモデルにしたキャラクター「小港さん」を生み出したほか、「みなとっち」の愛称で裏話が語られる機会も多く、ファンにはおなじみの存在であった。
そんなバラエティ編成を一手に率いる有力幹部だった港氏だが、13年12月に同局バラエティ番組『ほこ×たて』でヤラセ問題が発覚し、同年6月に常務取締役に就任していた港氏も減俸処分に。15年6月に同役職を退任すると、共同テレビの代表取締役社長に就任した。
このように、一度は“出世コース”から外れたと噂されていた港氏だが今回、約7年ぶりにフジテレビに戻ることになった背景には、昨今の同局の低迷がある。コロナ禍でのスポンサー市況の低迷に加え、視聴者離れが続き苦戦中のフジテレビは今年、リストラの一環として早期退職者を募るほど苦境に立たされている。
一方、近年の共同テレビは、松重豊主演連続ドラマ『孤独のグルメ』(テレビ東京系)をSeason9まで続く有力番組に成長させるなど、その制作機能が注目されている。港氏も、ナインティナイン岡村隆史の司会で人気のバラエティ番組『チコちゃんに叱られる!』(NHK)をヒットに導くなど、手腕を見せつけていた。
「『孤独のグルメ』や『チコちゃん』は、もともとフジに出された企画でした。しかし、当時のフジは『ヒットしない』と判断し、企画を不採用に。その結果、他局に大ヒットコンテンツを取られてしまったんです。こういった企画を“取りこぼさない”ためにも今回、バラエティに理解のある港氏が抜てきされたと考えられます」(フジテレビ社員)
そんな中、港氏就任後のフジテレビについて、業界内では「とんねるずの番組が増えるのでは? という話が広まっている」(ニュースメディアスタッフ)のだとか。
なおとんねるずは、18年3月に『とんねるずのみなさんのおかげでした』が終了してからというもの、コンビでのレギュラーテレビ番組はなくなってしまった。フジテレビは、石橋の冠番組『石橋貴明のたいむとんねる』を18年4月、『石橋、薪を焚べる』を2年4月に深夜帯でスタートさせたが、視聴率不振により前者は2年、後者は1年ほどで終了している。
「業界内では今後のフジの“とんねるずの扱い”が話題になっていますが、フジでとんねるずの冠レギュラー番組なんかが始まったら、ネットメディアに『コネ扱い』などと揶揄されかねません。フジテレビをイジる記事は、注目を集めますからね……。港氏が社長になることでむしろ、とんねるずは“ますますフジに戻れなくなった”ともいえるのでは?」(同)
ちなみに、港氏は18年当時のインタビューで、現在もとんねるずとはプライベートでゴルフや競馬に行く仲だと明かしていた。そういった深い関係性もあり、やはりとんねるずの番組が「露骨に増えそう」と予想する業界関係者は少なくないようだ。
「フジはその辺、ズレてるというか(笑)、昔から“コネ”と騒がれることを気にしない体質なので、とんねるずの番組は増えると思いますよ。若者層には響かなくても、年配層のコア視聴率は期待できますし、レギュラーは厳しくても、いざという時の特番や、“フジ何周年”みたいなお祭り番組にとんねるずとダウンタウンを掛け合わせる、みたいなことはありそうです。ただ、とんねるずのお二人の仲がかなり悪いので……、タカさんだけ、ノリさんだけという感じになるかもしれませんが」(放送作家)
今後、ドラマやバラエティの強化が期待される同局だが、ほかの班の状況は決して明るくない様子。最近でいえば、ダチョウ倶楽部・上島竜兵さんの訃報を伝えたワイドショー『めざまし8』が、冒頭から上島さんの自宅前で中継したことや、発見された際の状況をリポーターが伝えたことで炎上したばかりだが……。
「フジはこのところ、ドラマやバラエティの新しい枠を増やしたり、新番組を続々と増やしています。プロデューサーや社員にも、企画をどんどん出して新番組を制作するよう発破をかけていて実際、話題になるような深夜番組もいくつか生まれてるんです。その一方で、情報番組や報道班は予算が削られ、スタッフから不満の声も漏れています。それもあって、上島さんが亡くなった際に暴走してしてしまったのではないか……なんて話も出ていますよ」(別のフジテレビ社員)
大規模なリストラに加えて新社長就任と、心機一転、立て直しを図るフジテレビ。港氏が戻ってくることで、かつての輝きを取り戻せるだろうか。
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