超名作『ショーシャンクの空に』、実はタイトルが紆余曲折していた
#金曜ロードショー #しばりやトーマス #金ロー
実はブラピもキャスティング予定だった!
監督・脚本を手掛けたフランク・ダラボンは原作の大ファンで、あまりに好きすぎるので原作小説をほとんど変える事なく映像化したのだが、少ない変更点のひとつが囚人トミーの運命である。原作のトミーは、所長と取引して環境のよい刑務所に移送される代わりに口をつぐむのだが、映画ではアンディの無実を晴らそうとしたために、口封じをされてしまう。
トミー役にはまだ若手だったブラッド・ピットが出演予定であったが1991年の『テルマ&ルイーズ』のヒットでオファーが殺到し、スケジュールの都合がつかずに出演を断念。完成した映画を見たブラピはかなり悔しがったという。だが94年はブラピのターニング・ポイントの年で、この年以降『インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア』『レジェンド・オブ・フォール/果てしなき想い』『セブン』『12モンキーズ』と話題作に続けて出演、スターダムにのし上がった。もし『ショーシャンクの空に』に出ていたら、彼にとって別の歴史が生まれていたのかも? なにしろトミー役を演じた新人のギル・ベロウズは、この作品以外はまったくの鳴かず飛ばずなんだから。
絶望の面持ちで戻って来たアンディに塀の外へ出ることをほぼ諦めているレッドは「希望は危険だ。正気を失わせる」と言うのだが20年以上もの間、希望を捨てなかったアンディはある嵐の夜に奇跡を起こす。
嵐の夜のクライマックスとラストシーンは、映画史に残る最も感動的な名場面と語り継がれた。公開当時はヒットしなかったが、ビデオやテレビの再放送で火が着き、世界最大規模のデータを収めているIMDBのユーザー投票による名作トップ250の第一位に今も君臨していて、ティム・ロビンスとモーガン・フリーマンは今でも「『ショーシャンクの空に』を観てあなたのファンになった」と話しかけられるそうだ。
冒頭に書いたようにこの作品ほど世間の評価、興行成績が乖離している作品もなく、とくに日本での認知のされ方には驚く時がある。
去年日本で公開されヒットした『花束みたいな恋をした』では、映画マニアの菅田将暉と有村架純が終電を逃したリーマンカップルと深夜のバーで映画の話題になった時、リーマンが「俺、結構マニアックなやつ観てますよ。『ショーシャンクの空に』とか」ドヤ顔で語り出した時にひっくり返りました。
全然マニアックじゃないよ! 超メジャータイトルだよ! っていうギャグなんだけど、実際に同じようなことを語り出す人に二度ほど遭遇したことがあり、絶望した。
『ショーシャンクの空に』をメジャーな作品として知らしめる希望を捨てられない筆者は、アンディのように「希望はいいものだ」と伝えたい。なので『花束~』でしか『ショーシャンクの空に』を知らない人(いないよ! そんな人! いや、いるかも……?)はぜひ金曜21時、テレビの前に集合だ。映画はいいものだ!
サイゾー人気記事ランキングすべて見る
イチオシ記事