フット後藤のカバーアルバム『マカロワ』に絶賛 ツッコミ芸人と音楽活動の“好相性”
#音楽 #フットボールアワー #後藤輝基 #藤井隆
フットボールアワー・後藤輝基による5月11日発売のカバーアルバム『マカロワ』が名作であると、まことしやかに囁かれている。
本作のプロデュースを担当したのは藤井隆。その選曲は、WINK『Cat-Walk Dancing』、宝生舞『Carnival』、福永恵規『ハートのIgnition』、本田美奈子『悲しみSWING』、篠原涼子『リズムとルール』、伊藤銀次『こぬか雨』という、かなりマニアックなものだ。いわゆるヒット曲ではなく、あまりピックアップされることのない隠れた名曲ばかりだ。
楽曲のアレンジは澤部渡(スカート)、奥田健介(NONA REEVES、ZEUS)、KASHIFの3人が担当。アーバンでアダルトな雰囲気漂うトラックに、後藤の落ち着いたボーカルが見事にフィットしている。
「後藤さんの歌といえば、『ゴッドタン』(テレビ東京系)のマジ歌選手権での『ジェッタシー(ジェットエクスタシー)』や『ヘブリカン』の印象が強いかもしれませんが(笑)、歌唱力には定評があります。
また、本作をプロデュースする藤井隆さんの音楽活動は、以前から本当に評価が高い。特にここ数年は自身が主宰するレーベル『SLENDERIE RECORD』でいろいろな芸人さんの楽曲をプロデュースしていますが、そのいずれもハイクオリティーなポップスになっています。後藤さんの『マカロワ』は選曲も含めて、ひとつの集大成とも言える作品です。音楽業界内では大絶賛されており、もっと世間にも広まるべき作品だと思います」(レコード会社関係者)
今回のリリースにあわせて、プロインタビュアー吉田豪氏による後藤のインタビューが、音楽ナタリーに掲載された(5月11日付記事「藤井隆に見出された歌手の才 後藤輝基」)。そこで後藤は、藤井による摩訶不思議なプロデュースの全貌を明かしている。
「注目すべきは、後藤さんが選曲について<正直、はっきりわかった曲は「Carnival」(宝生舞)、うっすらわかった曲が「リズムとルール」(篠原涼子)と「こぬか雨」(伊藤銀次)くらい>と話しているところ。普通であれば、全曲サッパリわからないというくらいのマニアックさなんですが、3曲も認識していたというのは、後藤さんのエンタメ知識の幅の広さを感じました。そういった知識があったからこそ、マニアックな選曲でも見事に解釈して歌いこなせたのでしょう」(同)
ツッコミ芸人界のトップクラスに位置する後藤だが、幅広い知識がツッコミ芸人としての評価につながっているという。バラエティー番組に関わる構成作家はこう話す。
「平場のトークでの“たとえツッコミ”で大きな笑いを生むには、ボケが何を表現しているのかを的確に認識する能力が必要。ボケがマニアックなエンタメネタを放り込んできたとしても、それがなんなのかがわかっていないとツッコむこともできないし、喩えることもできませんからね。
後藤さんは、そんなにマニアックな趣向を持っているタイプには見せませんが、実は幅広い知識を持っている。だからこそ、ツッコミ芸人として確固たる地位を築いたのだと言えるはずです。後藤さんと同じく、幅広い知識を持つツッコミ芸人は、くりぃむしちゅーの上田晋也さん、千鳥のノブさんなど。あと、本来はボケですが、バラエティーではツッコミの役割をすることが多い、麒麟の川島明さんもかなりマニアックな知識の持ち主です」
そんな川島も、藤井隆プロデュースのアルバム『SLENDERIE ideal』に参加。2曲でボーカルを務めたほか、テナーサックスにも挑戦した。さらに、川島は自身がMCを勤めるTBS系『ラヴィット!』5月16日の放送で、後藤のカバーアルバムを紹介している。
「藤井隆さんのマニアックな音楽の世界を表現するには、それなりにマニアックな知識が必要で、それはまさにツッコミ芸人に求められる素養なんですよ。後藤さんや川島さんが、藤井さんの音楽活動に共鳴するのは、そういった背景があるんですよね」(同)
シンガー・後藤輝基としての才能だけでなく、ツッコミ芸人としての才能もまた、このカバーアルバムに刻まれていると言えそうだ。
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